Des Sennen Abschied Op.79-22 Liederalbum für die Jugend |
牛飼いのお別れ 若者のための歌のアルバム |
Ihr Matten,lebt wohl, Ihr sonnigen Weiden! Der Senne muß scheiden, Der Sommer ist hin. Wir fahren zu Berg,wir kommen wieder, Wenn der Kuckuck ruft,wenn erwachen die Lieder, Wenn mit Blumen die Erde sich kleidet neu, Wenn die Brünnlein fließen im lieblichen Mai. Ihr Matten,lebt wohl, Ihr sonnigen Weiden! Der Senne muß scheiden, Der Sommer ist hin. |
お前たち草原よ、さようなら 日当たりの良い牧場よ! この牧人は別れねばならぬ 夏は終わったのだ われらは山に行き、われらは再び戻ってくる カッコウが呼びかけ、歌が目覚めるとき 花で大地が装いを新たにするとき 泉が流れる 美しい五月には お前たち草原よ、さようなら 日当たりの良い牧場よ! この牧人は別れねばならぬ 夏は終わったのだ |
シラーの最後の戯曲「ヴィルヘルム・テル」、その第一幕の冒頭に置かれている歌です。実際は立て続けに3つの全く違ったシチュエーションの歌があって、最初の湖の魔物に魅入られる漁師の少年、そしてこの牛飼いと最後のアルプスを踏破する狩人と多彩な表情で観客を舞台であるスイスへと誘います。3曲まとめてではフランツ・リストのたいへんに魅力的な歌曲集がありますのでそれでお聴き頂ければよろしいかと。シューマンはこの3つのうちでは一番表情が穏やかな牛飼いの歌にだけメロディをつけています。
ピアノの優しい伴奏のメロディは、ここまで立て続けに続いてきた春の歌の印象がしますが、とても美しい歌で爽やかにこの感傷を歌います。
( 2010.09.03 藤井宏行 )