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追分    
  日本の笛
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    日本の笛 (1922)  追分

曲: 平井康三郎 (Hirai Kozaburo,1910-2002) 日本   歌詞言語: 日本語


誰(たれ)が吹くのか 月夜の島に
ひとり ほそぼそ 一節切(ひとよぎり)

椰子の花咲く 南の夏に
忍路(おしょろ)高島 北の雪



これはこの歌曲集の中でも絶妙な一品。一節切(ひとよぎり)とは尺八の前身とも言われる、一節の竹で作られた管楽器です。真夏の小笠原の夜にかそけく聞こえる音楽。「忍路(おしょろ)高島 北の雪」とありますからこれは北海道、江刺に伝わる追分節ですね。
冒頭のピアノがこの一節切の音を模していると思われるフレーズを鳴らす中、ゆったりと歌が入ってきます。静かに陶酔しているような音楽のクライマックスでは、まさにその江差追分のフレーズが現れてきます。不思議な情感をたたえた、とても魅力的な歌です。

( 2010.08.29 藤井宏行 )


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