Die wandelnde Glocke Op.79-17 Liederalbum für die Jugend |
歩きまわる鐘 若者のための歌のアルバム |
Es war ein Kind,das wollte nie Zur Kirche sich bequemen, Und sonntags fand es stets ein Wie, Den Weg ins Feld zu nehmen. Die Mutter sprach: die Glocke tönt, Und so ist dir’s befohlen, Und hast du dich nicht hingewöhnt, Sie kommt und wird dich holen. Das Kind,es denkt: die Glocke hängt Da droben auf dem Stuhle. Schon hat’s den Weg ins Feld gelenkt, Als lief’ es aus der Schule. Die Glocke,Glocke tönt nicht mehr, Die Mutter hat gefackelt. Doch welch ein Schrecken hinterher! Die Glocke kommt gewackelt. Sie wackelt schnell,man glaubt es kaum; Das arme Kind im Schrecken, Es läuft,es rennt,als wie im Traum; Die Glocke wird es decken. Doch nimmt es richtig seinen Husch Und mit gewandter Schnelle, Eilt es durch Anger,Feld und Busch Zur Kirche,zur Kapelle. Und jeden Sonn- und Feiertag Gedenkt es an den Schaden, Läßt durch den ersten Glockenschlag Nicht in Person sich laden. |
昔ひとりの子供がおりました、その子は大嫌いでした 教会にお祈りに行くことが それで日曜日にはその子は理由をつけては 野原で道草を食っていたのです お母さんは言いました:鐘が鳴ってるだろ お前に来なさいと言ってるんだよ それでお前が言うことを聞かないと 鐘はやってきてお前を捕まえてしまうんだよ その子は思いました:鐘はぶら下がってるだけじゃないか あそこのお堂の中に あっという間にその子は野原へと駆けて行きました まるで学校から飛び出していく時みたいに 鐘は、鐘はもう鳴ってない 母さんはウソを言ったんだ ところがなんと恐ろしいことが後ろに! 鐘が追いかけてくるではありませんか その追いかける速さは、とても信じられないほど 哀れなその子は恐怖にかられて 走ります、駆けます、夢の中のように 鐘は今にもその子を呑みこみそう だけどその子は上手に身をかわし 力の限りの全速力で 牧場や畑 茂みをすり抜け駆けてゆく 教会へ チャペルへと一目散 それから日曜や祝日が来るたびに その子はこの恐怖を思い出し 最初の鐘が鳴りさえすれば 呼び出されるまでもなく出かけたのでした |
ゲーテの比較的良く知られたバラードにつけられた曲です。レーヴェが同じくメロディをつけたものの方が良く知られているかと思いますが、あちらのお茶目な歌に比べると、シューマンのものはメロディが短調だからでしょうか。もっとしっとりとしたユーモアを感じさせて面白いです。ゲーテの詩は1813年作、比較的歳を取ってからの作品です。そんなところが少々お説教っぽくなっているところかとも勘ぐってしまわなくもないですが。
( 2010.08.20 藤井宏行 )