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Mailied   Op.79-9  
  Liederalbum für die Jugend
五月の歌  
     若者のための歌のアルバム

詩: オーヴァーベック (Christian Adolf Overbeck,1755-1821) ドイツ
      Komm,lieber Mai,und mache die Bäume wieder grün

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Komm,lieber Mai,und mache
Die Bäume wieder grün,
Und laß uns an dem Bache
Die kleinen Veilchen blühn!

Wie möchten wir so gerne
Ein Blümchen wieder sehn,
Und in die frische Ferne
In’s grüne Freie gehn !

Komm,mach es bald gelinder,
Dass alles wieder blüht !
Dann wird das Fleh’n der Kinder
Ein lautes Jubellied.

O komm und bring vor allen
Uns viele Rosen mit,
Bring auch viel Nachtigallen
Und schöne Kuckucks mit!

来て、大好きな五月よ、
木々をまた緑にしてね
そしてぼくたちのために 小川のほとりに
小さなスミレを咲かせてよ

なんてうれしいことだろう
また可愛い花を見られるのなら
そして爽やかな遠くの場所へ
緑の野原に出られるのなら!

来て、すぐに外を暖かくしてよ
花がみんなまた咲き出すように
そしたら子供たちの願いも
元気な喜びの歌になるんだから

おお来て まわり中に持ってきてよ
ぼくたちに一杯のバラの花を
それからたくさんのナイチンゲールを連れてきてよ
それときれいなカッコウを!


出だしのフレーズで、ドイツリートに詳しい方は、モーツアルトが美しいメロディを付けたクリスティアン・オーヴァーベックの詩「春の憧れ」を思い起こすことでしょう。実際冒頭部分や最後の部分はあの詩と全くといってよいほど一緒なのですが、あとはかなり内容が違っています。楽譜では作詞者のところにはFliegendes Blatt(チラシ)とありますので、誰かがこのオーヴァーベックの詩を下敷にして書いたということなのでしょう。
この曲はデュエットとして歌えるように書かれており、ソプラノとメゾ、あるいはテノールとバリトンといった組み合わせで歌われることが多いようです。爽やかなメロディが春の喜びを伝えてくれるようで、なかなかに魅力的ですがあまり取り上げられることは多くないかも知れません。

( 2010.08.06 藤井宏行 )


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