Der Abendstern Op.79-1 Liederalbum für die Jugend |
夕暮れのお星さま 若者のための歌のアルバム |
Du lieblicher Stern, Du leuchtest so fern, Doch hab ich dich denoch Von Herzen so gern. Wie lieb ich doch dich So herzinniglich! Dein funkelndes Äuglein Blickt immer auf mich. So blick ich nach dir, Sei's dort oder hier: Dein freundliches Äuglein Steht immer vor mir. Wie nickst du mir zu In fröhlicher Ruh! O liebliches Sternlein, O wär ich wie du! |
あなた すてきなお星さま あなたは光ってる とっても遠くで だけどそれでも わたし あなたが 心の底から大好きよ それでもあなたが大好きなのよ ほんとに心の奥底から! あなたのきらめくお目々は いつでもわたしを見つめてくれる だからわたし あなたを見つけるわ あそこにいようと ここにいようと あなたの親しそうなお目々は いつでもわたしの目の前にあるんだから わたしにうなずきかけてくれるの 楽しそうなおだやかさで ああ 大好きなお星さま ああ わたしもあなたみたいになれたらなあ! |
1849年に作曲されたこの歌曲集、「子供のための」と訳されることもありますが、ゲーテやシラー、メーリケ、リュッケルトといった文豪詩人の作品につけた本格的な作品もあり、なかなか一筋縄ではいきません。もっとも初めの数曲はメロディも伴奏もシンプルな、まさに童謡といえる作品ばかりですので、シューマンも書いていくごとに興に乗っていろいろなスタイルの曲を書き足していったということなのかも知れません。
この童謡風な初めの数曲の歌詞はすべてホフマン・フォン・ファーラスレーベンの手になるもの。この歌曲集29曲中10曲の歌詞が彼によるものです。こんな感じの童心にかえったような詞もあれば、共和主義者としての熱い血を秘めた、含意の深い詞の曲もあり多彩です。
Abendsternというのは「宵の明星」ということで金星を指していますが、ここではそこまで踏み込まず、「夕暮れのお星さま」という題に訳しました。こんな感じのかわいらしい訳が似合っている歌です。
( 2010.07.10 藤井宏行 )