Käuzlein Op.79-10 Liederalbum für die Jugend |
小さなフクロウ 若者のための歌のアルバム |
Ich armes Käuzlein kleine, Wo soll ich fliegen aus, Bei Nacht so gar alleine, Bringt mir so manchen Graus Das macht der Eulen Ungestalt Ihr Trauern mannigfalt. Ich wills Gefieder schwingen, Gen Holz in grünen Wald, Die Vögel hören singen, In mancherlei Gestalt Vor allen lieb' ich Nachtigall, Vor allen liebt' mich Nachtigall. Die Kinder unten glauben, Ich deute Böses an, Sie wollen mich vertreiben Das ich nicht schreien kann Wenn ich was deute tut's mir leid, Und was ich schrei' ist keine Freud'. Mein Ast ist mir entwichen, Darauf ich ruhen sollt', Sein Blättlein all' verblichen, Frau Nachtigall geholt Das schafft der Eulen falsche Tück, Die störet all mein Glück. |
ぼくはあわれな 小さいフクロウ ぼくが飛んでいかなくちゃならないところでは 夜にひとりぼっちで ぼくはいつでも怖い思いをさせられる だからフクロウはみにくい姿なのさ 悲しいことだっていろいろある ぼくは翼をふるわせて 緑の森の木々のところへ飛んで行き 鳥たちの歌うのを聞いてみたいものだ それぞれが自分のやり方でする歌い方を とりわけぼくはナイチンゲールが好きだし とりわけぼくをナイチンゲールは好いてくれる 下にいる子供たちは思ってる ぼくが悪いことを告げる鳥だと みんなぼくを追い払おうとする ぼくが叫んだりしないように ぼくの声がそんな風に思われるとぼくは悲しくなる だからぼくの歌声は楽しくないんだろう ぼくの枝がなくなってしまった その上でぼくが休んでいた枝が 木の葉もみんな枯れてしまったし ナイチンゲールさんも死んでしまった これはあの悪いフクロウのたくらみなのさ ぼくの幸せをみな台無しにしてしまう |
マーラーのように泥臭い作風ではありませんので、シューマンには民謡詩「子供(少年)の不思議な角笛」につけた曲はないかと思いきや、多彩な作品を集めているこの作品79を中心に、けっこうあることがわかります。この「若者のためのアルバム」は動物のことを歌った曲が3曲、子供らしい描写を見せながらどこかひねりがありそうなものを選んでいるのが興味深いところです。
この「フクロウ」、ほのかにユーモアをたたえながら、「どうせおいらは嫌われ者さ」といじけているフクロウの姿を歌っています。
( 2010.07.04 藤井宏行 )