TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Gigerlette    
  Brettl-Lieder
ギガレッテ  
     ブレットルリーダー

詩: ビーアバウム (Otto Julius Bierbaum,1865-1910) ドイツ
    Irrgarten der Liebe. Verliebte,launenhafte und moralische Lieder,Gedichte und Sprüche aus den Jahren 1885 bis 1900 - Lieder  Gigerlette

曲: シェーンベルク,アルノルト (Arnold Schonberg,1874-1951) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Fräulein Gigerlette
Lud mich ein zum Tee.
Ihre Toilette
War gestimmt auf Schnee;
Ganz wie Pierrette
War sie angetan.
Selbst ein Mönch,ich wette,
Sähe Gigerlette
Wohlgefällig an.

War ein rotes Zimmer,
Drin sie mich empfing,
Gelber Kerzenschimmer
In dem Raume hing.
Und sie war wie immer
Leben und Esprit.
Nie vergess ich's,nimmer:
Weinrot war das Zimmer,
Blütenweiss war sie.

Und im Trab mit Vieren
Fuhren wir zu zweit
In das Land spazieren,
Das heisst Heiterkeit.
Daß wir nicht verlieren
Zügel,Ziel und Lauf,
Saß bei dem Kutschieren
Mit den heissen Vieren
Amor hinten auf.

ギガレッテちゃんが
ぼくをお茶に誘ってくれた
彼女の装いは
雪のように似合ってて
まるでピエロを
彼女はやってるみたいだった
たとえ修道士でも、賭けてもいいけど
ギガレッテを見たなら
ムラムラするんだろう

真っ赤な部屋だった
彼女が招き入れてくれたのは
黄色いロウソクの炎が
部屋の中で揺らめいていた
そしていつものように彼女は
元気でお茶目だった
ぼくは決して忘れない、決して
ワインレッド色の部屋を、
彼女の花の白さを

それから四頭立ての馬車で
ぼくたちはふたりで出かけた
田舎へちょっとしたドライブに
それは最高にゴキゲンなことだった
ぼくたちは見失なわないようにした
手綱を、行き先をそして道筋を
走ってるそばに座っている
熱い四頭の馬と走る
愛の神様だ 後ろに乗っているのは


この洒落た歌詞は、リヒャルト・シュトラウスのいくつかの有名な歌曲の詩に名の見えるオットー・ユリウス・ビーアバウム。シュトラウスの歌曲でも言えることですが、なかなか歌にすると映える言葉を紡ぎ出す人のように思えます。飛び跳ねるようなピアノの前奏に続いて、茶目っ気たっぷりの歌が始まると気分はもうキャバレー? シェーンベルクのこの曲集の中では一番それっぽい感じの曲のように思えます(他のものはどこか風格がありすぎて場違い感を覚えること多)。
これはジャズのヴォーカルに歌ってもらうとなかなか映えそうに思います。

( 2010.06.10 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ