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Encinctured with a twine of leaves   Op.60-3  
  Nocturne
木の葉の帯を絡ませたもの  
     夜想曲

詩: コールリッジ (Samuel Taylor Coleridge,1772-1834) イギリス
    The Wanderings of Cain  

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス   歌詞言語: 英語


Encinctured with a twine of leaves,
That leafy twine his only dress!
A lovely Boy was plucking fruits,
By moonlight,in a wilderness.
The moon was bright,the air was free,
And fruits and flowers together grew
On many a shrub and many a tree:
And all put on a gentle hue,
Hanging in the shadowy air
Like a picture rich and rare.
It was a climate where,they say,
The night is more beloved than day.
But who that beauteous Boy beguil'd
That beauteous boy to linger here?
Alone,by night,a little child,
In place so silent and so wild -
Has he no friend,no loving mother near?

木の葉の帯を絡ませたもの
そんな葉の帯が彼のただひとつの着物だ!
ひとりの愛らしい少年が果物をもいでいた
月明かりの下、とある荒地の中
月は明るかった、大気はさわやかだった
そして果物も花々も共にあふれていた
たくさんの灌木やたくさんの木の上に:
すべてのものは穏やかな色合いをして
翳りのある空にぶら下がっていたのだ
豊穣で希少なひとつの絵のように
ここでの気候は、人が言うには
夜が昼間よりもずっと好ましいのだ
だが誰が一体この美しい少年を騙くらかして
ここに留まらせているのだ?
ひとりぼっちで、夜に、小さな子供が
平穏の中とても静かにとても夢中になって
彼には友達はいないのか、愛する母もそばにはいないのか?


目の覚めるようなハープの響きが高音の弦に絡みつくさまが非常に美しい伴奏を織り成している第4曲。詩の描写も幻想的です。18世紀末から19世紀初頭にかけて活躍した詩人サミュエル・テイラー・コウルリッジSamuel Taylor Coleridge (1772-1834)の「カインの放浪(The Wanderings of Cain)」より。序文の中に挿入されている一篇の詩に曲をつけています。旧約聖書に出てくるカインのことを素材とした作品だとは思うのですが、具体的にこの少年が何者なのかも含め掴むには至りませんでした。時間があれば読み込んでみたいところではありましたが。

( 2010.06.04 藤井宏行 )


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