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Moj golos dlja tebja i laskovyj i tomnyj   Op.7-1  
  Chetyre romansa
ぼくの声はきみへ向け 優しくも哀しく  
     4つのロマンス

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Ночь (1823)

曲: リムスキー=コルサコフ (Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov,1844-1908) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Moj golos dlja tebja i laskovyj i tomnyj
Trevozhit pozdnoe molchan’e nochi temnoj.
moi stikhi,slivajas’ i zhurcha,
Tekut,
Vo t’me glaza tvoi,blistja predo mnoju,
Mne ulybajutsja,i zvuki slyshu ja:
Moj milyj drug,moj nezhnyj drug... ljublju... tvoja... tvoja!...

ぼくの声はきみへ向け 優しくも哀しく
夜の闇の静けさを打ち破って響く
ぼくの言葉は溶け合ってざわめくように
流れる...
暗闇の中、ぼくの前できみの瞳は輝き
ぼくに微笑みかける、そしてぼくには聞こえる、きみの声が
私のひとよ、愛しいあなた、私は好き...あなたが...あなたが!


この陶然とするような美しさのプーシキンの愛の詩、ロシアの作曲家には人気が高いようで、多くの人によってメロディが付けられています。ここでは以前、アントン・ルビンシュテインのもの(「夜」というタイトル)を取り上げております。
リムスキー=コルサコフのものも、このルビンシュテイン作品によく似たしっとりした抒情が美しいですが、彼は大胆にも詩の中間部分、ロウソク一本だけが輝く部屋の情景のところをごそっとカットして、恋するふたりの姿だけをクローズアップすることにしています。詩の違いはルビンシュテインの項と見比べてみてください。個人的には全体の雰囲気を盛り上げて行くオリジナルの方が詩としては好ましいですが、リムスキーのような処理も歌になるとなかなかに素晴らしく聴けます。最後の余韻の残し方なども見事なところ。

( 2010.04.03 藤井宏行 )


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