TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Frühlingsmorgen    
  Lieder und Gesänge aus der Jugendzeit
春の朝  
     若き日の歌 第一集

詩: レアンダー (Richard Leander,1830-1889) ドイツ
      

曲: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Es klopft an das Fenster der Lindenbaum.
Mit Zweigen blütenbehangen:
Steh' auf! Steh' auf!
Was liegst du im Traum?
Die Sonn' ist aufgegangen!
Steh' auf! Steh' auf!

Die Lerche ist wach,die Büsche weh'n!
Die Bienen summen und Käfer!
Steh' auf! Steh' auf!
Und dein munteres Lieb' hab ich auch schon geseh'n.
Steh' auf,Langschläfer!
Langschläfer,steh' auf!
Steh' auf! Steh' auf!

窓を叩くのは リンデの木
花をいっぱいに抱えた枝で
起きてよ! 起きてよ!
どうしてきみは夢の中で寝そべってるのさ?
お日さまが昇っているよ!
起きてよ! 起きてよ!

ヒバリも目覚めたし、茂みは揺れてる!
ハチたちもうなってるし 虫たちもだ!
起きてよ! 起きてよ!
きみの陽気な恋人だって ぼくはもう見かけたんだよ
起きてよ、ねぼすけさん!
ねぼすけさん、起きて!
起きてよ! 起きてよ!


マーラーの歌曲といいますと、民謡詩「少年の不思議な角笛」に曲を付けた、ある意味濃厚な味わいの音楽のイメージが強いのですが、まだ20歳そこそこの頃に作曲したこの作品はえらくイメージが違います。
えらく繊細で可愛らしい、まるでシューマンのリートを思わせるような素敵な歌です。
花で一杯のリンデの木の枝がそよ風に揺れ、まだ春の眠りの中にいる恋人をやさしく起こそうとしている情景。ひどく優しげな言葉の感じがしましたので、訳語もそんな風に心がけてみました。
詩のレアンダーは(本名リヒャルト・フォン・フォルクマン)本業はお医者さんなのだそうですが、軍医として従軍した普仏戦争のときに戦場で二十数篇の童話を書いて故郷の子供たちに書いて送ったというエピソードなど、メルヘン作家としても良く知られています。
曲は「若き日の歌」として14曲まとめて出版されていますが、この第一集に含まれる曲だけは1880年頃と、飛び抜けて早い時期に書かれており、「少年の不思議な角笛」の詩に曲を付けているあとの第二・三集の作品と味わいが違います。まだあまりマーラーらしい癖が感じられないのが弱点でもあり、また美質でもあるでしょうか。

( 2010.03.26 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ