Juzhnaja noch’ Op.3-2 Chetyre romansa |
南国の夜 4つのロマンス |
Na razdol’i nebes svetit jarko luna, I listky serebrjatsja oliv; Dikoj voli polna, Zakhodila volna, Zhemchugom ubiraja zaliv. Eta chudnaja noch’ i temna,i svetla, I ogon’ razlivaet v krovi; Ja mastiku zazhgla, Ja tsvetov narvala: Pospeshaj na svidan’e ljubvi! Eta noch’ proletit,i zamolknet volna Pri sijan’i besstrastnogo dnja, I,zabotoj polna, Budu ja kholodna: Ty togda ne uznaesh’ menja.... |
天の広がりの上に月は輝き そして銀色のオリーブの葉 荒々しさに満ち溢れ 打ち寄せる波は 真珠で岸辺を彩る このすばらしい夜は暗く、また明るく 炎は燃え立つ 血の中に 私は乳香を燃やした 私は花を摘んだ さあ愛の逢瀬に急げ! この夜はすばやく過ぎ、波も静まりかえるだろう 昼間の無感動の光の中では そして、悩みに満ちて 私は冷めてしまうだろう そのときあなたは私のことが分からないのだ |
南国の夜のリゾート気分を歌っている詩のようですが、まるで浮き立つような雰囲気は感じられず、ほの暗い情念が燃え立っています。さすがロシアのバカンス、というと偏見に過ぎるでしょうか。ただロシアのリゾートというと、やはり黒海沿岸のクリミア半島界隈だったりもしますので、ハワイやプーケット、バリといったところの幸せ一杯のリゾートとはちょっと違うのかも知れません。
リムスキー=コルサコフが書いた音楽もほの暗くも激しいもの。ロシアのバカンスを誤解してしまいかねない内容ですが、案外これが真実なのかも知れません。
( 2010.02.14 藤井宏行 )