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Juzhnaja noch’   Op.3-2  
  Chetyre romansa
南国の夜  
     4つのロマンス

詩: シチェルビーナ (Nikolay Fyodorovich Shcherbina,1821-1869) ロシア
      Южная ночь

曲: リムスキー=コルサコフ (Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov,1844-1908) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Na razdol’i nebes svetit jarko luna,
I listky serebrjatsja oliv;
Dikoj voli polna,
Zakhodila volna,
Zhemchugom ubiraja zaliv.

Eta chudnaja noch’ i temna,i svetla,
I ogon’ razlivaet v krovi;
Ja mastiku zazhgla,
Ja tsvetov narvala:
Pospeshaj na svidan’e ljubvi!

Eta noch’ proletit,i zamolknet volna
Pri sijan’i besstrastnogo dnja,
I,zabotoj polna,
Budu ja kholodna:
Ty togda ne uznaesh’ menja....

天の広がりの上に月は輝き
そして銀色のオリーブの葉
荒々しさに満ち溢れ
打ち寄せる波は
真珠で岸辺を彩る

このすばらしい夜は暗く、また明るく
炎は燃え立つ 血の中に
私は乳香を燃やした
私は花を摘んだ
さあ愛の逢瀬に急げ!

この夜はすばやく過ぎ、波も静まりかえるだろう
昼間の無感動の光の中では
そして、悩みに満ちて
私は冷めてしまうだろう
そのときあなたは私のことが分からないのだ


南国の夜のリゾート気分を歌っている詩のようですが、まるで浮き立つような雰囲気は感じられず、ほの暗い情念が燃え立っています。さすがロシアのバカンス、というと偏見に過ぎるでしょうか。ただロシアのリゾートというと、やはり黒海沿岸のクリミア半島界隈だったりもしますので、ハワイやプーケット、バリといったところの幸せ一杯のリゾートとはちょっと違うのかも知れません。
リムスキー=コルサコフが書いた音楽もほの暗くも激しいもの。ロシアのバカンスを誤解してしまいかねない内容ですが、案外これが真実なのかも知れません。

( 2010.02.14 藤井宏行 )


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