Die Sterne schau'n in stiller Nacht Op.99-2 6 Gesänge |
星たちは見下ろしている 静かな夜に 6つの歌 |
Die Sterne schau'n in stiller Nacht Herab zur Lagerstätte, Wo's blonde Mädchen sitzt und wacht, An kranker Mutter Bette. Was blickst du einsam zu uns auf? Willst späh'n der rollenden Welten Lauf? Ihr Sternlein,ach! versteht ihr nicht Der Tochter bangen Kummer? Daß nicht das treu'ste Auge bricht, O schenkt ihm süßen Schlummer, Ihr Sternlein all',hab' euch so gern! Doch Mutterlieb' ist der schönste Stern. Nur still,du weinend Mädchen,du! Der Schlummer senkt sich nieder, Ein holder Engel schließt ihr zu Die müden Augenlider; Schau' nur,wie sanft sie ruht im Bett! Ja,wenn nicht der Mensch seine Engel hätt'! |
星たちは見下ろしている 静かな夜に 遥か下の寝室を そこにはブロンドの少女が座り 見つめている 病気の母のベッドを どうしてお前は孤独にわれらを見上げるのだ? この巡る世界の動きを覗き見でもしようというのか? 君たち星よ、ああ、君たちは分からないのか この娘の不安な苦しみが? その誠実な瞳が曇ることのないように おお 彼女に安らかな眠りを与えてやってくれ お前たち星が私は大好きだ けれど母の愛こそが一番明るい星なのだ さあ静かに、泣いている少女よ まどろみが降りてくる ひとりの愛らしい天使が閉じてくれる その疲れたまぶたを さあご覧、なんと安らかに彼女はベッドに横たわっていることか! そうだ、人がもし自分の天使を持たなかったらどうなるのだろう! |
作曲者が亡くなってから出版された作品99の6曲からなる歌曲集の第2曲です。詩のアルベルト・シュリッペン伯爵(Albert Ernst Ludwig Karl,Graf von Schlippenbach 1800-1886) は珍しく、メンデルスゾーンにも他の付曲はないようですし、他の作曲家がその詩にメロディを付けたというのもほとんどないようです。あまり切れ味鋭い詩でもありませんので、貴族のディレッタントといったところでしょうか。ただ冒頭の暗く重苦しいメロディが途中で霧が晴れたように明るくなり、力強く終わるところはなかなかに感動的です。
( 2010.02.12 藤井宏行 )