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Die Nonne    
  12 Lieder
修道女  
     弟フェリックスの12の歌 Op.9に収録

詩: ウーラント (Johann Ludwig Uhland,1787-1862) ドイツ
    Balladen und Romanzen  Die Nonne (1805)

曲: ヘンゼル=メンデルスゾーン (Fanny Hensel-Mendelssohn,1805-1847) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Im stillen Klostergarten eine bleiche Jungfrau ging.
Der Mond beschien sie trübe,
An ihrer Wimper hing
Die Träne zarter Liebe.

“O wohl mir,daß gestorben der treue Buhle mein!
Ich darf ihn wieder lieben:
Er wird ein Engel sein,
Und Engel darf ich lieben.”

Sie trat mit zagem Schritte wohl zum Mariabild;
Es stand im lichten Scheine,
Es sah so muttermild
Herunter auf die Reine.

Sie sank zu seinen Füßen,sah auf mit Himmelsruh',
Bis ihre Augenlider
Im Tode fielen zu:
Ihr Schleier wallte nieder.

静かな修道院の庭の中を ひとりの蒼ざめた若い娘が歩いていた
月はどんよりと彼女を照らし
彼女のまつげには光っていた
やさしい愛の涙が

「おお何て幸せなこと、私の誠実な恋人が死んでしまったことは!
私は彼をもう一度愛してもよくなったのだから
彼は天使になったのです
そして天使なら私は愛しても良いのだから」

彼女はおずおずとした足取りでマリア様の像の前へと歩いた
それは明るい光の中に立っていた
穏やかな母のように見ていた
上から清らかな娘のことを

彼女はその足元にひざまずき、天国の安らぎと共に見上げていた
彼女のそのまぶたが
死によって閉じられるまで
彼女のヴェールが下に落ちた


ウーラントの素朴な詩につけた流麗な歌。悲しいお話ですがどこか醒めているような雰囲気が不思議な情感を漂わせています。
雰囲気的には弟フェリックスの歌曲に、Op.8の3曲の中では一番近いところにあるように思えます。私のようなものには全く区別がつきませんでした。

( 2010.02.12 藤井宏行 )


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