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Modersorg   Op.15-4  
  4 Romanser
母の嘆き  
     4つのロマンス

詩: リカルド (Christian Richardt,1831-1892) デンマーク
    Smaadigte  Modersorg (1861)

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: デンマーク語


Så du ham min lille Dreng
med den lyse krøllede Lok?
Så jeg på ham længe,
jeg så dog aldrig nok!
Ak så tom,så tom,
så tom står nu hans lille Vugge,
mens mit stakkels Bryst
er fuldt af Sorg og dybe Sukke.

Milde Jesus,du var hård,
da du tog ham bag Stjernerne små!
Trængte du til Engle?
ak Jorden har så få!
Gav du ham et Vingepar
og Himlens lyse Glæde?
Hjælp da mig,som Ingen har,
o hjælp mig til at græde!

あたしのかわいい坊やを見なかったかしら
きれいな巻き毛をした坊やを?
どれだけ探し続けていても
探しすぎになることはないわ!
ああ どうして空っぽ 空っぽ
空っぽなの 今あの子の揺りかごは
でもあたしの哀れな胸には
悲しみと溜息が一杯詰まっている

やさしきイエス様 あなたは残酷です
あの子を小さな星たちの向こうへと連れ去ってしまうなんて!
天使たちの数が足りないとでもおっしゃるのですか?
ああ、この世にはとても少ないでしょう!
あなたはあの子に一対の羽と
天国の輝きを下さったのですか?
お救いください、あたしには何もない
お救いください、私を泣かせて!


グリーグには子供を亡くした母の嘆きを歌った歌曲がたくさんあります。ここにご紹介したものの他にも、Op.39-4やOp.60-2などがそうですが、実は彼自身も一人娘を幼くして亡くしてしまった経験があったのでした。この作品Op.15がちょうどその頃に当たるのだそうで、第1曲目の限りなく美しい「マルグレーテの子守唄」などもそうして見ると実に深い思いを秘めたものであるのですね。そして同じOp.15でもこの最終曲はひときわストレート。
美しいソプラノであった奥さんのニーナのために多くの歌曲を書いたというグリーグですが、この曲は微妙な位置づけになるでしょうか。作曲者にとっては創作することが悲しみを昇華する手立てだあるということも言えるのでしょうけれども。

( 2009.06.01 藤井宏行 )


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