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Nanny   Op.2-1  
  Sept melodies
ナニー  
     7つの歌

詩: ルコント・ド=リル (Charles-Marie-René Leconte de Lisle,1818-1894) フランス
    Poèmes antiques - Chansons écossaises  Nanny

曲: ショーソン (Amédée-Ernest Chausson,1855-1899) フランス   歌詞言語: フランス語


Bois chers aux ramiers,pleurez,doux feuillages,
Et toi,source vive,et vous,frais sentiers;
Pleurez,ô bruyères sauvages,
Buissons de houx et d'églantiers.

Printemps,Roi fleuri de la verte année,
Ô jeune Dieu,pleure! Été mùrissant,
Coupe ta tresse couronnée ;
Et pleure,Automne rougissant.

L'angoisse d'aimer brise un coeur fidèle.
Terre et ciel,pleurez! Oh! Que je l'aimais !
Cher pays,ne parle plus d'elle;
Nanny ne reviendra jamais!

山鳩に愛される森、泣け、やさしい木の葉たち
お前もだ、湧き出る泉よ、お前たちもだ、爽やかな小道よ
泣くのだ、おお荒野のヒース
ヒイラギの茂みよ 野バラたちよ

春よ、一年のうちで緑栄える王よ、
おお若き神よ、泣け!熟れた夏よ
お前の栄冠に満ちた髪を切れ
そして泣くのだ、赤く染まる秋も

愛の苦悩がこの誠実な心を打ち砕く
大地と空よ、泣け!どれだけ私は彼女を愛していたことか!
愛する祖国よ、もうこれ以上彼女のことは語るな
ナニーはもう戻ってはこないのだ!



ショーソンの7曲からなる歌曲集Op.2は、初期の作品であるにも関わらず彼の歌曲の代表作をいくつも含むとても魅力的な作品です。多彩な詩人の多彩な詩につけていて、さながらショーソン歌曲のショーウィンドウといったところでしょうか。
第一曲はルコント・ド=リルの詩、亡くした恋の歌ですが、悲しみの表情は見せず、ただただ静かに諦めの境地を歌います。何かの物語を下敷にしているような感じの詩なので背景を調べてみましたが、手がかりが少なすぎて良く分かりませんでした。

( 2011.08.28 藤井宏行 )


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