Träume WWV 91 Wesendonck-Lieder |
夢 マチルデ・ヴェーゼンドンクの詩による歌曲集 |
Sag,welch wunderbare Träume halten meinen Sinn umfangen, daß sie nicht wie leere Schäume sind in ödes Nichts vergangen? Träume,die in jeder Stunde, jedem Tage schöner blühn, und mit ihrer Himmelskunde selig durchs Gemüte ziehn! Träume,die wie hehre Strahlen in die Seele sich versenken, dort ein ewig Bild zu malen: Allvergessen,Eingedenken! Träume,wie wenn Frühlingssonne aus dem Schnee die Blüten küßt, daß zu nie geahnter Wonne Sie der neue Tag begrüßt, daß sie wachsen,daß sie blühen, träumend spenden ihren Duft, sanft an deiner Brust verglühen, und dann sinken in die Gruft. |
言っておくれ、どんな素晴らしい夢が 私の心を捉えているのかを そしてそれが空虚な泡のようなものではなく 荒れ果てた虚無の中へと消え去ってしまうことはないのだと? 夢、それはどんなときでも 日々一層美しく花咲く そしてその天国からの知らせと共に 至福に満ちて心を通り過ぎてゆく! 夢、それは聖なる光のごとく 魂のうちへと沈み込み 永遠のイメージをそこに描き出す すべての忘却と そして記憶の 夢、それは春の太陽が 雪から現れ出てきた花たちにくちづけするように 思いもかけない喜びに向かって 新しい一日を歓迎する そして夢は成長し、花開く 夢見つつその香りを振りまき 穏やかにお前の胸で燃えてから 墓の中へと沈んでゆく |
この曲のメロディは、楽劇「トリスタンとイゾルデ」の第2幕の愛の二重唱にその後使われたのだそうです。確かに管弦楽伴奏の版で聴くとあのオペラそのままの雰囲気。もともとは作曲者自身の編曲の管弦楽版があったようですが、今では他の曲と同じように指揮者のフェリックス・モットルの手になる管弦楽伴奏で歌われることがほとんどです。
2010.03.12 2012.08.11 訳詞改訂しました
( 2012.08.11 藤井宏行 )