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Wanderlied   Op.57-6  
  6 Lieder
さすらいの歌  
     6つの歌曲

詩: アイヒェンドルフ (Josef Karl Benedikt von Eichendorff,1788-1857) ドイツ
    Gedichte - 1. Wanderlieder  Frische Fahrt

曲: メンデルスゾーン (Jakob Ludwig Felix Mendelssohn,1809-1847) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Laue Luft kommt blau geflossen,
Frühling,Frühling soll es sein!
Waldwärts Hörnerklang geschossen,
Mut'ger Augen lichter Schein;

Und das Wirren bunt und bunter
Wird ein magisch wilder Fluß,
In die schöne Welt hinunter
Lockt dich dieses Stromes Gruß.

Und ich mag mich nicht bewahren!
Weit von Euch treibt mich der Wind;
Auf dem Strome will ich fahren,
Von dem Glanze selig blind!

Tausend Stimmen lockend schlagen;
Hoch Aurora flammend weht;
Fahre zu! ich mag nicht fragen,
Wo die Fahrt zu Ende geht.

暖かい風が青く吹いてくる
春だ、春がくるのだ
森めがけて角笛の響きが放たれ
勇気あふれる瞳は明るく輝く

そして明るく色とりどりの混沌が
魔法の激しい奔流となり
川下の美しい世界へと
お前を誘うのだ、この流れの挨拶は

そしてぼくはじっとしてはいられない!
お前たちのことろからはるか遠くへとぼくを追い立てる風
川の上をぼくは行ってみたい
この幸福な輝きに目を眩ませながら

幾千の声が誘いかけるように響く
高みでは朝焼けが燃え立っている
さあ行こう!ぼくは尋ねたりしない
どこでこの旅が終わるかなんて


さわやかな春の旅立ちのうた。これはアイヒェンドルフの詩集「Wanderlieder(さすらいの歌)」の中の最初の詩なのだそうで、原詩のタイトルは“Frische Fahrt(さわやかな旅立ち)”です。メンデルスゾーンは詩集のタイトルを単数形にして歌のタイトルとしています。これも見事な春の歌。さわやかな春の息吹きを感じさせる傑作です。

( 2009.11.03 藤井宏行 )


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