Altdeutsches Lied Op.57-1 6 Lieder |
古いドイツの歌 6つの歌曲 |
Es ist in den Wald gesungen, Wenn ich der mein Leiden sage, Die mein Herz mir hat bezwungen; Sie hört nicht auf meine Klage. Mir ist wie der Nachtigall, Die so viel vergeblich singet, Und ihr doch am Ende bringet Lauter Schmerz ihr süßer Schall. Was nützt in dem wilden Walde Kleiner Vögelein Gesang, Und ihr Tönen mannichfalte, Wer sagt ihrem Singen Dank? Stille bleibt der wilde Wald, Und die Hirsche weiter ziehen, Hören nicht den Ton im Fliehen, Der so ganz umsonst verhallt. |
森の中に歌声が聞こえていた ぼくがこの悲しみを語っていたときに ぼくの心が打ちのめされたあの人に でも彼女はぼくの嘆きなど聴いてはくれない ぼくはナイチンゲールになったようだ 無駄にたくさんの歌を歌って それが最後にもたらすのはただ 大きな痛みでしかないその甘い歌声 こんな森の中では何の役に立つのか 小鳥たちの歌声は その響きが豊かであろうと 誰が感謝してくれるというのか? 静まったままでいろ 森よ そして雄ジカたちをまた呼び寄せるのだ 飛び去っていく音など聴きはせぬ すべてはむなしく消えゆくのみ |
詩のシュライバーは13世紀の詩人だそうですが詳細は調べられませんでした。歌詞を見る限りはOp.19a-1「春の歌」と同じようにメンデルスゾーンと同時代の詩人が言葉を当代風にアレンジしたものではないかと思われます。なんとも悲しくなってしまうような詩の内容ではありますが、まるで吟遊詩人の恋のゲームのように淡々と音楽は森に響き、歌われていきます。
( 2009.11.03 藤井宏行 )