På Skogstien Op.26-5 5 Digter |
森の小道にて 5つの詩 |
Sig,husker du i Sommer, hvor her vi vandred tidt? Hvert Blad var grønt som Håbet, hvert Vinddrag solskinsblidt. Nu Løvet suser falmet henover blomstløs Jord, Og i de nøgne Grene højt sukker Stormens Kor. Ak,var det blot Naturen, som kold sig svøbte ind, Men du,min Ven,du også som den har skiftet Sind! |
おい、君は覚えているか あの夏に ぼくたちはどこへ一緒にデートしたかを? 木の葉はみな緑色で希望に満ち そよ風は日の光を穏やかに揺らしていた 今木の葉は静かに溜息をつく この花のない大地の上で そして裸の枝の上では 悲しげな嵐のコーラスが聞こえる ああ、ただ季節だけがこんな風に 冷たく変わるのだったら だけど君も、恋人よ、君もまた 変わってしまったのだ その心が! |
作品26の第5曲目は地味に暗い失恋の歌です。多彩な表情と美しいメロディを誇るたくさんのグリーグの歌曲の中ではどうしても影が薄くなるのはやむを得ないところではありますが、確かにあまり取り上げられることは多くないかも知れません。ただグリーグ特有の寒々とした寂寞感はこの詩の内容によくマッチしてなかなかに味わい深いので、作品26を通して聴く中でもそんなに悪い曲ではないとは思ってはいるのですが。
( 2009.11.03 藤井宏行 )