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Et Håb   Op.26-1  
  5 Digter
ひとつの希望  
     5つの詩

詩: パウルセン (John Olaf Paulsen,1851-1924) ノルウェー
    Mol og Dur  Et Håb

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: デンマーク語


Jeg kunde juble for alle Vinde
min Glæde ud! Vil man den forstå?
Nei,bedst jeg varsomt den lukker inde
her hos mig selv i mit Hjertes Vrå.

Mit Hjerte brænder,det bæver,banker
i Takten,o,til en Jubelsang!
Mit Hoved gløder af Vårens Tanker.
Hvor vild og lystelig deres Gang.

Foran mit Øre det bruser,sjunger
som Tonerne fra et Englekor.
Med tusind sladrende,søde Tunger,
det røber mig,hvad i Fremtid bor.

Ak! tør jeg tro det! Jeg vil så gjerne.
Hvor Håbet flammer og kaster Skin!
Ud fra det tause,det dunkle Fjerne
en Stjerne stråler - og det er min!

私は歓呼の声をあげることができるのだけれど 風に向かって
私の喜びを表すのに!それを人はわかってくれるだろうか?
いや ひそかにそれは隠しておく方がいいのだろう
ここ 私の心の奥深くへと

私の心臓は燃え 震え 脈打つ
響き合っている おお 喜びの歌と!
私の頭は 春の想いに燃えさかる
なんと 自然で 魅惑に満ちたこの時

私の耳の中でそれは鳴っている 歌っている
天使のコーラスの旋律のように
千ものつぶやき 優しい言葉で
それは私に告げる 未来に何がやってくるのかを

ああ それを私は信じるのだ 喜んで私はそうしよう
何と希望は燃え 輝いていることだろうか
沈黙した暗い彼方から
ひとつの星が輝く そしてそれは私のものだ!


作品26の5曲は作曲者の友人でもあった詩人ヨン・パウルセン(John Paulsen 1851-1924)の詩による歌曲集。グリーグはパウルセンの詩には他にも作品58・59のふたつの歌曲集など、いくつかの歌曲の詩として取り上げています。この歌曲集に集められたのは多彩な愛の情景。始まりから終わりまでそれは様々な様相を見せてくれます。
第1曲目は弾けるような喜びを歌う、グリーグでも珍しい感じのメロディ。しかし歌詞は秘めた憧れですね。ひとつの希望というのが何なのかは結局謎のままです。

( 2009.11.03 藤井宏行 )


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