C'e nel tuo sguardo |
あなたのまなざしには |
C’è nel tuo sguardo Non so dir che strana luce Per cui si fa l'alma pensosa O fanciulla,che ancor non sai qual vano Triste fantasma sia la vita! Ascosa in mezzo ai fior la morte aspetta! Umana letizia è fumo E sogno ogni altra cosa D'ogni lama è velen più crudo al core! Esulta e trema! S'avvicina amore,s'avvicina amor! |
あなたのまなざしには 何とも知れぬ不思議な光がある それは魂を悲しませるのだ おお、娘さん あなたはまだ知らない どれほど空しく 悲しい幻影であるのかを この人生が! ひそかに花の咲き乱れる中 死は待ち構えている 人の喜びは煙でしかなく 夢なのだ 他のすべてのものも どんな刃よりも酷い毒だ 心にとっては 喜び 震えるがいい 愛が近づいてくるから 愛が近づいてくるから! |
レオンカヴァルロの歌曲というと、パヴァロッティが愛唱している「マッティナータ (朝の歌)」が有名で、あの美しい旋律と炸裂するイタリア魂に惹かれる方も多い
かと思うのですが、ここに取り上げたこの曲もほとばしる情熱では負けていません。詩はなんとも暗いものですが、曲はとことん明るく、濃い情念に満ちています。
中丸さんのイタリア近代歌曲集でも、この人の作品(この曲は第1集に収録)と、 あとジョルダーノ(オペラ「アンドレア・シェニエ」の作曲者ですね)の2人の曲は、
他の繊細・緻密な曲と一線を画した熱いカンターヴィレが聴けて楽しいです。それでもやはり、ワーグナーの影響か、ナポリ民謡のようにストレート勝負でない
ところがやはり近代歌曲たるところ。改めてイタリア近代の作曲家の魅力を知りました。
( 1999.05.02 藤井宏行 )