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Trost unglücklicher Liebe   XXVIa no. 9  
  12 Lieder für das Clavier
不幸な恋の慰め  
     12のクラヴィア伴奏歌曲第1集

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: ハイドン (Joseph Haydn,1732-1809) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Ihr mißvergnügten Stunden,
Wie groß ist eure Zahl!
So mehrt nur Schmerz und Wunden
Und tötet mich einmal!
Ihr aber,sanfte Triebe,
Kömmt Schlaft nur mit mir ein;
Denn jenes,was ich liebe,
Wird doch nicht meine sein.

Du liebtest mit so warmem,
So vollem Herzen mich:
Nun hält dich in den Armen
Ein Glücklichrer als ich,
Und meinen heissen Küssen,
O Schicksal,hast du sie
Wie dieser Welt entrissen!
Allein auf ewig nie!

Dort,unter Himmels Lauben,
Find'ich,Geliebte,dich:
O wonniglicher Glauben!
Du nährst und stärkest mich,
Du hauchest meinem Herzen
Neukräftigs Leben ein
Und milderst mir den Schmerzen,
Die Qual,ein Mensch zu sein.

お前たち不快な時間よ
なんとたくさん有り余っているのだ!
こうして苦痛と傷口を増やしてゆき
いつか私を殺すがいい!
だけどお前たち、やさしい衝動は
来て、私と一緒に眠っておくれ
なぜなら、私の愛するあの人は
私のものにはなってくれないのだから

お前たちは愛してくれた とても暖かく
とても豊かな心でこの私を
さあ お前をこの腕に抱こう
幸せ者の私として
そして私の熱いキスを
おお運命よ、お前はあの人を
どうしてこの世界から連れ去ってしまったのか!
ただ永遠に

あそこ、天の下のあずまやで
私は見つけたのだ、愛しいお前を
おお喜びあふれる信仰よ!
お前は私を養って強くし
お前は私の胸に吹き込むのだ
新たな力の生命を
そして私の苦痛を和らげてくれる
人間であるという苦しみを


このクラーヴィア歌曲集では比較的少ない短調の曲。これもオペラアリアのように重厚に響きます。転調して長調で鳴り響く間奏が見事な彩り。音楽の友の名曲解説全集によれば、この曲と前の第8曲、そして第4曲の詩は当時出版されたフリーベルトという人の歌曲があり、ハイドンはこれに対抗する意味でこの歌曲集と書いたという記述がありました。それを思うと確かに大変に気合の入った曲と言えましょう。この歌曲集中の最大傑作とする意見もあるようです。

( 2009.11.15 藤井宏行 )


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