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Die Verlassene   XXVIa no. 5  
  12 Lieder für das Clavier
捨てられた女  
     12のクラヴィア伴奏歌曲第1集

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: ハイドン (Joseph Haydn,1732-1809) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Hör auf,mein armes Herz,so bang zu schlagen!
Er spottet deiner Leiden,deiner Klagen!
Er schloß durch Leichtsinn sich das Tor der Reue,
der Ungetreue!

Weil ich,oh Falschen,dich so sehr geliebet,
Hast du dies Bubenstück an mir verübet.
Und doch kann ich,obschon er mich verlassen,
Nicht ganz ihn hassen.

Zu schwaches Herz,so sind wir Mädchen alle,
Wir rennen willig in der Männer Falle.
Ich würde wollt er mich aufs neu belügen,
Mich gern betrügen.

Warum schufst du so weich uns,so gefällig,.
So hart die Männer und so ungesellig?
Natur,o lehre dies Geschlecht die Triebe.
Der treuen Liebe!

やめるのよ、私の哀れな心よ、そんなに不安そうに鼓動するのは!
あの人は笑っているわ お前の苦しみを お前の嘆きを
あの人は軽い気持ちで閉ざしてしまったのです 後悔の扉を
あの不実な人は!

だって私は、おお不誠実な人よ、あなたをとても愛してしまったのですから
あなたが私に悪の罠を仕掛けたから
それでも今も私はできない、彼が私を捨てたあとでも
彼を完全に憎むことが

あまりにかよわい心のために、私たち乙女はみな
私たちは嬉々として男たちの罠にかかってしまう
私も願いさえしてしまうの、もし彼がもう一度嘘をついてくれたならと
私は喜んでだまされるでしょう

なぜお前たち 女の心はこんなにやさしく親切なのに
男たちのときたら 厳しく冷淡なのですか?
自然よ、かの性に感情を学ばせてやって
誠実な愛の感情を!


これは作者不詳の詩ということで、探したのですが本来あるとされる全7節のうちで5節しか見つけることができませんでした。そのうち4節はアーリン・オージェの歌ったCDより転記したものですが、Emily Ezstのリートのページにあるものはこれとは別の第2節を掲載していました。これが上の4節のどことどこの間に入るのかが分かりませんでしたので、これだけは別にして下に原詩と訳を載せます。

  Weh mir! O schonet ihn,ihr Rächerinnen!
  Kehrt wider mich eu'r grimmiges Beginnen!
  Dies Herz,das noch den Frevler kann vertreten,
  müßt ihr erst töten!

  悲しい私! おお彼をいたわって 復讐の心よ!
  私の方へと向けて お前の残虐な思いを!
  この心よ、まだあの嘘つきを許そうとしているものよ
  おまえこそ真っ先に死ぬがいいわ!

アメリンクの録音のライナーでは、上に載せました4節の最初と最後が歌われてそれぞれ第1節と第7節と解説がありましたので、これはその間のどこかに入るはずですが結局分かりませんでした。展開としてはちょうど真ん中あたりが詩の流れとしても収まりが良さそうではありますが...
音楽はオペラアリアのような重厚なものですが、美しいメロディはここでも健在です。

( 2009.11.15 藤井宏行 )


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