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Cupido   XXVIa no. 2  
  12 Lieder für das Clavier
キューピッド  
     12のクラヴィア伴奏歌曲第1集

詩: レオン (Gottlieb von Leon,1757-1830) オーストリア
      

曲: ハイドン (Joseph Haydn,1732-1809) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Weißt du,mein kleines Mägdelein,
Wer wohl Cupido ist?
Es ist ein kleines Knäbelein,
Voll Argheit,Schwänk' und List.

Zwei Flüglein hat das lose Kind,
Damit fliegt es gar schnell:
Ob es schon ist an Auglein blind,
Sieht's dennoch scharf und hell.

Rückwärts hängt ihm ein Köcherlein,
Wohl auch ein Borgen rund,
Mit dem schießt's tief ins Herz hinein
Und macht dir's liebenswund.

Dann seufzt und weint dein armes Herz,
Leidt große Qual und Pein,
Und nichts kann stillen dir den Schmerz,
Ein Männlein nur allein.

Ach Liebchen,fleuch sein Schelmenspiel
Und trau und bau ihm nicht;
Er schießt der Herzen allzuviel,
Der kleine Bösewicht.

お前は知っているかい、ぼくの可愛い少女よ
キューピッドって一体誰なのかを?
それは小さい男の子
とっても意地悪で、いたずらで、ずる賢いんだ

二枚の羽をその生意気な子どもは持っていて
そいつでとても速く飛べるんだ
目が見えないとは言いながら
それでもはっきりくっきり見てるのさ

背中には小さな矢筒を下げて
よく曲がった弓も下げて
そいつで心の奥深くを射る
そうなりゃお前も恋の傷を負う

それからはお前の哀れな心は溜息をつき泣きながら
大きな苦悩と痛みに苦しむのさ
何もお前のその苦痛を癒すことはできない
できるのはひとりの男だけだ

ああ恋人よ、やつのひどい遊びから逃げてくれ
やつを信じたりしちゃいけない
やつはあまりにもたくさんの心を射るのだから
あの小さい悪者は


ギリシャ神話の愛の神エロス、この別名キューピッドはここに描写されているような男の子です。その神話を下敷きにしながら恋人の女の子に説教している少年が描かれていますが、本音のところは愛の矢がこの娘にも刺さって欲しいといったところでしょうか。飛び跳ねるような伴奏に乗せたユーモラスな音楽が微笑を誘います。

( 2009.11.15 藤井宏行 )


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