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Serranas de Cuenca    
  Canciones amatorias
クエンカの町のシェラ娘たち  
     愛の歌曲集

詩: ゴンゴラ (Luis de Góngora y Argote,1561-1627) スペイン
      

曲: グラナドス (Enrique Granados y Campiña,1867-1916) スペイン   歌詞言語: スペイン語


Serranas de Cuenca
iban al pinar,
unas por piñones,
otras por bailar.

Bailando y partiendo
las serranas bellas,
un piñón con otro,
de amor las saetas
huelgan de trocar:
unas por piñones,
otras por bailar,

Entre rama y rama
cuando el ciego dios
pide al Sol los ojos
por verlas mejor,
los ojos del Sol
las veréis pisar,
unas por piñones,
otras por bailar.


クエンカの町のシェラ娘たち
松の林へと出かけたよ
何人かは松の実取りに
他の娘らはダンスしに

踊りながら割ってるよ
きれいなシェラ娘たち
実をひとつまたひとつと
アモールの愛の矢を
上手によけながら
何人かは松の実取りに
他の娘らはダンスしに

枝と枝の間
盲目の神様は
太陽に目が欲しいとお願いする
娘たちをもっと良く見たいと
太陽の目なら
娘たちの足取りが見えるだろう
何人かは松の実取りに
他の娘らはダンスしに


洗練された音楽の続くこの歌曲集にあって、唯一素朴な民謡を彷彿とさせるのがこの曲です。クエンカというのはスペイン中央部にある歴史的な街。観光名所ともなっているでしょうか。「シェラ娘たち」なんて変な訳語を当てたSerranasですが、Sierra(山岳地帯)からやってきた女たちという固有名詞のようなのでこうしてみました。「山の娘たち」でも良いといえば良いのですが。詩は第3曲目と同じ詩人です。
愛の神アモールが目の見えない神様だという伝承を歌にうまく織り込んでとても微笑ましいものにしています。ゆったりとした3拍子のリズムはメヌエットのよう。フランス民謡と言っても信じてしまいそうですが、最後は華やかに盛り上がって終わります。

( 2009.10.01 藤井宏行 )


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