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Stripsody    
 
ストリプソディ  
    

詩: バーベリアン (Cathy Berberian,1925-1975) アメリカ
      

曲: バーベリアン (Cathy Berberian,1925-1975) アメリカ   歌詞言語: ?


アーアアー・アアアアー(雄叫び)
ボーヨー、ヘッ・ヘッ・ヘックション。
グエッ。ボンボン・ブルンブルン、ブル〜〜
ボヨヨヨヨーン....

(長いので以下略。聴いた音を拾っているので正確さには欠けます)


バーベリアンといえばベリオの奥さん兼現代音楽の同志として、幾多の伝説的歌唱を残した人ですが、彼女にも「ストリプソディ」という珠玉の?現代歌曲作品があります。
いきなりターザンのような雄叫びで始まったかと思うと、人間の出しうるあらゆる音がこれでもかこれでもかと出てきてその目まぐるしいこと、まるでスタンドアップコメディを聴いているようで(ジム・キャリーがやったら巧そう)、実際、ギャグもそこかしこに出てきます(突然ラジオのメロドラマが出てきたり...もっと強烈なネタもありますが種明かしはしないでおきましょう)。
もちろん聴いて美しい声だけで曲にしない所がさすがバーベリアン、かなり下品な音も出させているので、上品なクラシックのファンには決してお薦めしません。ですが、人間の声の表現力の極限を目指し、歌曲の極北を極めたという点で、このバーベリアンの曲、一聴の値打ちは有り過ぎるほどあります(何より楽しい)。こういうのは一度ライブで聴いてみたいです(やる方の歌手は絶対いやでしょうけど。なんせ「ぐえっ」だの「ぼよよよーん」だののギャグ漫画の効果音を人前でやるんですから)。そんな勇気を作者以外に見せてくれたメゾ歌手ハーストのCD(なんとライブ!Virgin 90704廃盤?)が録音も良く、聴衆の戸惑いも聴こえて来て最高です。
作曲者本人の録音はWergo盤のライブ録音よりも、Ermitageにあるスタジオ録音の方が鬼気迫るものがあって良いです。

( 1998.07.09 藤井宏行 )


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