Klage I Op.69-1 Neun Gesänge |
嘆き T 9つの歌 |
Ach,mir fehlt,nicht ist da, Was mich einst süß beglückt; Ach,mir fehlt,nicht ist da, Was mich erfreut! Was mich einst süß beglückt, Ist wie die Well' entrückt. Ach,mir fehlt,nicht ist da, Was mich erfreut! Sagt,wie man ackern kann Ohne Pflug,ohne Roß? Sagt,wie man ackern kann, Wenn das Rad bricht? Ach,wie solch Ackern ist, So ist die Liebe auch, So ist die Liebe auch, Küßt man sich nicht! Zwingen mir fort nur auf, Was mit Qual mich erfüllt; Zwingen mir fort nur auf, Was meine Pein: Geben den Witwer mir, Der kein ganz Herze hat; Halb ist's der ersten Frau, Halb nur wär's mein! |
ああ、なくしてしまった、ここにはないの 昔あたしを幸せにしてくれたものは ああ、なくしてしまった、ここにはないの あたしを喜ばせてくれたものは! 昔あたしを幸せにしてくれたものは まるで波が引いていくように消えていったわ ああ、なくしてしまった、ここにはないの あたしを喜ばせてくれたものは! 言ってよ、どうやって耕せるの 鋤も、馬もないのに? 言ってよ、どうやって耕せるの 車輪が壊れているときに? ああ、こんな畑仕事みたいに 愛もなってしまったわ 愛もなってしまったわ キスすらもしなくなってしまったのでは! 力ずくでも押し付けてちょうだい あたしを苦悩で満たしているものを 力ずくでも押し付けてちょうだい あたしの痛みとなるものを 男やもめでもいいから下さいな 100%愛してくれなくたっていいわ 心の半分が前の奥さんのもので 残りの半分だけが私のものだっていいのよ! |
民謡の歌詞をドイツ語に訳したものにブラームスはたくさん曲をつけていますが、これもそんなうちのひとつ。原曲はしみじみと悲嘆にくれているような静かなものであったようですが、ここでブラームスがつけたのはちょっとユーモラスな感じの軽快なもの。それもあって訳の方も少し遊んでみました。
また、このチェコ語の原詞の一部ですが、ドヴォルザークが同じように取り上げて自分でメロディをつけているものがあります(作品73-3)。こちらはもとの曲同様しみじみと静かで美しい歌でした。
( 2009.10.02 藤井宏行 )