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Humoresque    
 
ユモレスク  
    

詩: ボキエ (Charles Beauquier,1833-1916) フランス
      

曲: ラロ (Edouard Lalo,1823-1892) フランス   歌詞言語: フランス語


Que me fait la politique!
République,
Royauté,sont des mots creux!
Tous les gens qui réflèchissent,
Ils blanchissent;
Or,voyez mes noirs cheveux!

Que d'autres cherchent la gloire
La victoire
Dans le sang jusqu'aux genoux!
Moi,je vais voir,si les roses
Sont écloses,
Et si le printemps est doux!

Aimer,chanter c'est ma bible!
Comme un crible,
Mon cerveau laisse passer
Sciences,philosophie.
La folie
Seule s'y peut amasser!

政治が何だというんだ!
共和性も、
王政も空虚な言葉だ。
難しく考えてる奴は皆
髪が白くなっちまう
ところが私は黒髪ふさふさ

他のやつらにやらせとけ 栄光や
勝利を追い求めるのは
膝を血だらけにしてな!
私は見に行くとしよう、バラが
咲いたかどうかを
それと春が楽しいかどうかを!

愛すること、歌うこと、それが私のバイブル
ふるいのように
脳みその中からふるい落とす
科学を、哲学を
狂人だけだ、
そんなもの貯め込むのは。

いやあ、これはなかなか良い詩だと思いませんか?
こんな気持ちで春の陽射しの中、ぼんやりと時を過ごしてみたいものですが、世知辛い世の中そういう風には問屋が卸してくれません。
これにラロの付けた曲は、とても洒落たマーチで始まります。アヒルの行進曲のようなこのマーチが繰り返された後、「私はバラが咲いたか」のところではテンポを落としてアクビしながらうたた寝するようなのどかな調べに変わり、そしてまた冒頭のマーチが帰ってきて威勢良く曲を終えます。
将にユモレスクという題名にふさわしい素敵な歌です。
ラロの歌曲集というと、私はツィリス・ガラのソプラノのしか聴いたことがないもので(掲示板で話題になったラプラント(バリトン)のものは未聴)、聞き比べ批評はできないのですが、ラロのサロン音楽的な味わいは良く出ていてなかなかオツです。

( 2000.03.27 藤井宏行 )


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