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Reingestimmt die Saiten   Op.55-5  
  Zigeunermelodien (Cigánské melodie)
弦の調子を合わせ  
     ジプシーのメロディー

詩: ヘイドゥク (Adolf Heyduk (1835 - 1923),1835-1923) チェコ
    Cigánské melodie 6 Struna naladěna

曲: ドヴォルザーク (Antonín Leopold Dvořák,1841-1904) チェコ   歌詞言語: ドイツ語/チェコ語


Reingestimmt die Saiten!
Bursche tanz' im Kreise!
Heute froh,und morgen?
Trüb' nach alter Weise!

Nächster Tag’ am Nile,
An der Väter Tische,
Reingestimmt die Saiten,
In den Tanz dich mische!


(チェコ語詞)
Struna naladěna,hochu,toč se v kole,
dnes,snad dnes převysoko,zejtra,zejtra,zejtra zase dole!
Pozejtří u Nilu za posvátným stolem;
struna již,struna naladěna,hochu,toč,hochu,toč se kolem!

弦の調子を合わせて!
若者たち 輪になって踊れ!
今日は陽気に、だけど明日は?
悲しいだろう 古いこどわざ通りに!

その次の日はナイルのほとり
父祖の墓のかたわらさ
弦の調子を合わせて
踊りの中へ お前も混ざれ!



弦の調子を合わせて、みんな、踊れ輪になって
今日は今日でゴキゲンだけど、明日は、明日は、明日は落ち込んでるかもね!
そのまた次の日はナイルの岸の 聖なる祭壇のところさ
弦は良いか、弦の調子を合わせて、みんな、踊れ、みんな、踊れ輪になって!


これもチェコ語の原詩と歌詞の差はほとんどないですね。ただ歌ではいくつかの語の繰り返しが非常に効果的に響きます。ドイツ語詞はここでもちょっと小難しい感じかなという気がしますが。
音楽は情熱的で激しいもの、力強く盛り上がって終わります。「弦」とあるのはジプシーヴァイオリンでしょうかツィンバロンでしょうか。ピアノ伴奏の感じはツィンバロンの分厚い響きを感じさせますけれど。またナイルの岸というのはジプシーの故郷だという伝説のあるところ。死んで父祖の墓に葬られているかも知れないという虚無感でしょうか。激しい情熱の影にこういう虚無感を湛えているところがこの音楽を一層深みがあるものにしているように思います。
ヘイドゥクの元の詩集では6番目にありました。以下が詩集にあったオリジナルです。

Struna naladěna,
hochu,toč se v kole -
dnes snad převysoko,
zejtra budeš dole.
Pozejtřku u Nilu
za posvátným stolem -
struna naladěna,
hochu,toč se kolem!

( 2009.09.22 藤井宏行 )


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