More,Elisa,lo stanco poeta 6 romanze |
死んでゆくのだよ、エリーザ、この疲れた詩人は 6つのロマンツェ(1838) |
More,Elisa,lo stanco poeta E l’estremo origlier su cui more È quell’arpa che un tempo l’amore Insegnava al suo spirto gentil. More pago che pura risplenda Come quella d’un angiol del cielo; Giacerà senza frale e uno stello Fiorirà tra le corde d’april. Dono estremo,per te lo raccogli Senza insano dolor,senza pianto; Una lacrima cara soltanto, Solo un vale che gema fedel. Che quest’alma già lascia le care Feste,i canti le danze,gli amori, Come un’aura che uscendo dai fiori Odorosa s’effonda nel ciel. |
死んでゆくのだよ、エリーザ、この疲れた詩人は そして死に行く彼の枕元にあるのは 竪琴だ それはかつて彼が愛を 高貴なる魂に教えたもの 彼は満ち足りて死ぬのだ その純粋な輝きに 天国の天使たちの竪琴のような それは傷ひとつなく横たえられて 四月の弦の間には花が咲くのだろう 最後の贈り物だ、君のために受け取ってくれ 限りない悲しみなしに、涙なしに 優しい一粒の涙だけを流して ただこの誠実な嘆きに満ちた別れのために なぜならこの魂はすでに愛しきものをみな捨て去ったからだ 祝宴、歌、踊りそして愛を そして花たちから立ち上るオーラのように 香り、空へと解き放たれているのだ |
1838年のロマンツェ第2曲も印象的なメロディにあふれています。この歌曲集の曲のどれもがこのあと彼が書くことのなるオペラ、「ナブッコ」や「リゴレット」「イル・トロヴァトーレ」などの名アリアの種を宿しているようで、聴いていてもどこかで聴いたことがあるような既視感を覚えさせます。この歌も暗く沈んだ前半部が後半力強く、ほのかに明るさを見せながらのびやかに歌われるところなどは痺れてしまうような美しさ。なかなかに印象に残ります。
( 2009.09.13 藤井宏行 )