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Scottish Song   M.A 12  
 
スコットランドの歌  
    

詩: バーンズ (Robert Burns,1759-1796) スコットランド
      Ye banks and braes

曲: ラヴェル (Maurice Ravel,1875-1937) フランス   歌詞言語: 英語


Ye banks and braes o' bonnie Doon,
How can ye bloom sae fresh and fair?
How can ye chaunt,ye little birds,
And I'm sae weary fu' o' care?

Ye'll break my heart,ye warbling bird,
That warbles on the flowry thorn,
Ye mind me o' departed joys.
Departed never to return.

Oft hae I rov'd by bonnie Doon,
By morning and by evening shine
To hear the birds sing o' their loves
As fondly once I sang o' mine.

Wi' lightsome heart I stretch'd my hand
And pu'd a rosebud from the tree.
But my fause lover stole the rose,
And left the thorn wi' me.

お前たち美しきドゥーンの堤よ丘よ
どうしてそんなに爽やかに美しく花が咲けるのか?
どうしてそんなに歌えるのか、お前たち鳥よ、
なのに私はいっぱいの悩みでこんなに疲れ果てているのか?

お前たちは私の心を打ち砕く、飛びまわる鳥よ
花咲くイバラの上を飛び回る者よ
お前たちは私にあの過ぎ去った喜びを思い出させるのだ
過ぎ去り もう戻らない喜びを

何度も私はこの美しきドゥーンのほとりをそぞろ歩いてきた
朝に そして夕暮れの輝きの中に
愛をささやく鳥たちの声を聞くために
私がかつて自分でも歌っていたように幸せいっぱいな歌を

軽やかな心で私は手を伸ばし
バラのつぼみを枝から積んだのだ
けれど不実な恋人はそのバラを奪い去り
私に残されたのはイバラの棘ばかり


民謡集の中ではこの曲だけがコンクールの入賞を逃したからというわけでもないでしょうが少々影が薄いです。これを除いた4曲で「民謡集」としているケースがけっこうあったりして何もそこまでしなくても、と思わないこともありません。もっともラヴェルの編曲ということを離れた時にはこの曲、スコットランド民謡としてたいへんに良く知られたもので、多くの方がメロディを聴かれれば「あああれか」と思い当たるでしょう。
失恋の傷心の歌ですが、しみじみと明るく思い出に浸っているような曲で日本での人気も高いようです。

( 2009.09.12 藤井宏行 )


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