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Sängers Gebet   Op.123-1  
  Drei Gesänge
歌びとの祈り  
     3つの歌

詩: レトヴィッツ (Oskar Freiherr von Redwitz,1823-1891) ドイツ
      

曲: レーヴェ (Johann Carl Gottfried Loewe,1796-1869) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Du,der Du bist der Geister Hort,
was hab' ich Grosses noch getan,
dass Du mir gabst des Liedes Wort?
Ich habe keinen Teil daran.

O Herr! wie säng' ich ohne Dich?

Für all' die Stunden,da mein Lied
mich auf zu Deinen Himmeln zieht,
für all die Lust,die mir's beschied,
wie kann ich danken Dir genug?

O Herr! wie säng' ich ohne Dich?

Ein einzig Wort aus Deinem Mund,
und ewig hin ist all' mein Sang,
wie voll auch sei mein Herzensgrund,
wie ich auch spannt der Harfe Strang.

O Herr! wie säng ich ohne Dich?

Ich trag' die Lieb' in voller Brust,
ich seh' die Welt in Frühlingslicht,
werd' fast erdrückt von Liebeslust,
doch ach! ich find' die Worte nicht!

O Herr! wie säng' ich ohne Dich?

Nimm drum den eitlen Stolz von mir,
lass mir nicht kommen Neid noch Hass,
gieb mir der Demut Sängerzier,
lass singen mich ohn' Unterlass!

O Herr! wie säng' ich ohne Dich?

Mein lied ertön' nur Dir zur Ehr';
Du gabst es mir,es ist ja Dein,
und sing' auf Erden ich nicht mehr,
lass mich auch dort Dein Sänger sein!

御身よ、数多くの魂のよりどころよ
一体何を私は成し遂げたというのでしょう
御身が私に歌のことばを授けてくださったことに対して?
私にはそこに何の役割もありはしません

おお主よ! 御身なくしてどうして歌えましょうか?

あらゆる瞬間、そう わたしの歌が
私を御身の天国へと引き上げる瞬間や
私に授けられたあらゆる喜びのことを
どうしたら充分に御身に感謝できるというのでしょう?

おお主よ! 御身なくしてどうして歌えましょうか?

御身の口より出るたった一言が
永遠に私の歌となります
わたしの心の中がどれほどいっぱいであろうと
私が竪琴の弦をどれほど張り詰めていようとも

おお主よ! 御身なくしてどうして歌えましょうか?

私は胸いっぱいに愛を抱いています
私は春の光の中の世界を見ます
あやうく愛の喜びに圧倒されそうになります
けれども ああ! 表す言葉が見つかりません!

おお主よ! 御身なくしてどうして歌えましょうか?

むなしいプライドを私から取り去ってください
妬みや憎しみを寄せつけないでください
歌びとの慎ましさをお与えください
休むことなく私に歌わせてください

おお主よ! 御身なくしてどうして歌えましょうか?

私の歌はただ御身の栄光のためだけに響くのです
御身が私に授けたもうた歌、それは御身のものなのです
この地上で私がもはや歌うことがなくなるときには
天国でも私を御身の歌びとにしてください!


この曲の詩のレドヴィッツは、フランツ・リストの歌曲「それは素晴らしい」などの詩人で、この詩は彼の叙事詩「アマラント」から採られているとのことです。叙事詩の詳細は調べておりませんので、この詩がどういうシチュエーションで歌われているものかは把握できておりませんが、恐らくはこの歌びと、吟遊詩人として歴史の動きを予言する役回りとして登場してきているのではないでしょうか。作曲者もピアノパートで竪琴の音を響かせています。
 歌は装飾を加えつつ吟遊詩人の祈りを歌い、最後は高らかに主を讃えて終わります。

( 2009.04.30 藤井宏行 )


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