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Brindisi    
  6 romanze
乾杯  
     6つのロマンツェ(1845)

詩: マッフェイ (Andrea Maffei,1798-1885) イタリア
      

曲: ヴェルディ (Giuseppe Verdi,1813-1901) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Mescetemi il vino! Tu solo,o bicchiero,
Fra gaudi terreni non sei menzognero,
Tu,vita de' sensi,letizia del cor.

Amai; m'infiammaro due sguardi fatali;
Credei l'amicizia fanciulla senz'ali,
Follia de' prim'anni,fantasma illusor.

Mescetemi il vino,letizia del cor.


L'amico,l'amante col tempo ne fugge,
Ma tu non paventi chi tutto distrugge:
L'età non t'offende,t'accresce virtù.

Sfiorito l'aprile,cadute le rose,
Tu sei che n'allegri le cure noiose:
Sei tu che ne torni la gioia che fu.

Mescetemi il vino,letizia del cor.


Chi meglio risana del cor le ferite?
Se te non ci desse la provvida vite,
Sarebbe immortale l'umano dolor.

Mescetemi il vino! Tu sol,o bicchiero,
Fra gaudi terreni non sei menzognero,
Tu,vita de' sensi,letizia del cor.

ワインを注げ、お前だけが、おおグラスよ
この世の喜びの中でも嘘をついたりしないのだ
お前、五感の活力源よ、この胸の喜び、

俺は愛してきた;ふたつの魅惑的な瞳が俺を燃え立たせるのを
俺は信じた 友情は翼のない少女なのだと
若造の思い上がりだった、幻の夢物語だったのさ

ワインを注げ、心の喜びを


友も、恋人も 時と共に去り行く
だがお前はすべてを打ち砕くものを恐れたりはせぬ
年月はお前を辱めたりせず、お前の美徳を増していくのだ

四月が色褪せ、バラが散っても
お前は退屈な煩わしさを陽気なものへと変えてくれる
お前は通り過ぎた喜びを呼び戻してくれるのだ

ワインを注げ、心の喜びを


誰がお前以上に心の傷を癒せるというのか
もしもお前を賢きブドウの木がくれなかったなら
人間の苦悩は尽きることはなかっただろう

ワインを注げ、お前だけが、おおグラスよ
この世の喜びの中でも嘘をついたりしないのだ
お前、五感の活力源よ、この胸の喜び、


どの作曲家にも1曲はあるであろうと思われる酒を讃える歌。ヴェルディもまた絶妙の1曲を書いております。1845年に出版された6つのロマンツェに含まれているこの曲ですが、この10年前に書かれている第1稿があり、これはその改訂版です。第1稿の方も時折歌われることがあるので聴き比べができますが、中間部の曲想がやや違っているほかはほぼ同じ曲と言ってもいいでしょう。年老いた酒飲みの哲学的とも言える歌、にしては力強く流麗に歌われるのはさすがイタリアといえましょうか。いずれにしましてもなかなかの味わいです。

( 2009.08.27 藤井宏行 )


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