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Fêtes Galantes   L 23  
 
華やかな宴  
    

詩: テオドール・ド・バンヴィル (Théodore Faullain de Banville,1823-1891) フランス
    Les cariatides - Les Caprices - en dizains à la manière de Clément Marot 3 Fêtes Galantes

曲: ドビュッシー (Claude Achille Debussy,1862-1918) フランス   歌詞言語: フランス語


Voilà Sylvandre et Lycas et Myrtil
Car c'est ce soir fête chez Cydalise.
Partout dans l'air court un parfum subtil
Dans le grand parc où tout s'idéalise.
Avec la rose,Aminthe rivalise;

Philis,Eglé qui suivent leurs amants,
Cherchent l'ombrage en mille endroits charmants.
Dans le soleil qui s'irrite et qui joue,
Luttant d'orgueil avec les diamants,
Sur le chemin,le paon blanc fait la roue.

ほらここにシルヴァンデルとリカスとミルティルがいる
だって今宵はシダリーズのところでパーティだから
空にあるものは皆、ほのかな香りを漂わせる
すべてが理想化された大きな公園の中では
バラと、アミントが競い合って咲いている

フィリスとエグレはおのおのの恋人を探してる
何千もの魅力のある場所の中に陰を探してる
ギラギラといたずらっぽい太陽の下
ダイヤモンドと誇らしさを競い合おうと
道の上では、白い孔雀が羽を広げている


Fêtes Galantesと言えばヴェルレーヌの詩に付けた同名の歌曲集が圧倒的に良く知られていますが、この初期作品もインパクトと言う点ではあちらに遜色ない曲です。
ドビュッシーの作品としてはその管弦楽編曲が良く取り上げられる「小組曲」(元はピアノ連弾の曲です。1889年)、その第3曲である「メヌエット」に取り上げられている典雅な古典的な響きが印象的なメロディ、これが実は1882年に作曲されたこの曲から取られたのだといいます。
実際そっくりそのままで。私も小組曲の方で聴きなじんだ旋律が歌になって流れてきたのにビックリしました。
詞に出てくる登場人物はルイ王朝時代の名前でしょうか。この歌のタイトルと同名のヴェルレーヌの詩集にある「月の光」や「マンドリン」を連想させる雅やかな雰囲気がなかなかに魅力的です。
EMIの歌曲全集録音には含まれていないですが、最近取り上げられることが増えてきました。

( 2009.08.26 藤井宏行 )


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