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Il rimprovero    
  Les Soirées Musicales
非難  
     音楽の夜会

詩: メタスタージオ (Pietro Metastasio,1698-1782) イタリア
    Siroe,re di Persia  Mi lagnerò tacendo

曲: ロッシーニ (Gioachino Rossini,1792-1868) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Mi lagnerò tacendo
della mia sorte amara,ah!
Ma ch'io non t'ami,
o cara,non lo sperar da me.

Crudel,perchè fin'ora
farmi penar così?
Crudel!

Mi lagnerò tacendo
della mia sorte amara,ah!
Ma ch'io non t'ami,
o cara,non lo sperar da me.

Crudel! Non lo sperar da me.

私は嘆きましょう 何も言わずに
私の苦い運命を、ああ!
だけど あなたを愛していないなんて
おお愛しい人、私のことをそうは思わないで

残酷な人よ、どうしていまだに
こんなにも私を苦しめるのですか?
残酷な人よ!

私は嘆きましょう 何も言わずに
私の苦い運命を、ああ!
だけど あなたを愛していないなんて
おお愛しい人、私のことをそうは思わないで

残酷な人よ!私のことをそうは思わないで


この詞はロッシーニのお気に入りだったようで、この歌だけでなく他にもたくさんの曲をつけています。晩年の怪作「老いの過ち」の中の第13集などでは、この詩ににつけた歌曲ばかり6曲が収められていたりして非常に興味深いところ(残念ながらまだ私もまとめて聴いたことはありません)。この音楽の夜会のバージョンでは流麗で陶酔的な主部と、怒りに満ちて力強い中間部との対照が強烈でなんとも微笑ましい「非難」になりました。タイトルに使われているrimproveroには他に「小言」の意味もあるようで、私はむしろそちらの方がこの曲の雰囲気には合っているのではないかとも思えるのですがいかがなものでしょうか。ピアノ前奏のお茶目なところなども、とてもこれから「非難」や「叱責」が始まるとは思えないです。

( 2009.08.22 藤井宏行 )


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