La statue de bronze Trois Mélodies de 1916 |
ブロンズの銅像 1916年の3つのメロディ |
La grenouille du jeu de tonneau S'ennuie,le soir,sous la tonnelle... Elle en a assez d'ętre la statue qui va prononcer un grand mot: Le Mot! Elle aimerait mieux ętre avec les autres qui font des bulles de musique avec le savon de la lune au bord du lavoir mordoré qu'on voit,lŕ-bas,luire entre les branches... On lui lance ŕ coeur de journée une pâture de pistoles qui la traversent sans lui profiter et s'en vont sonner dans les cabinets de son piédestal numéroté! Et le soir,les insectes couchent dans sa bouche... |
樽のゲームのカエルは 夕暮れには小屋の中で疲れ果ててる 彼女は銅像でいるのにもううんざりだ おおげさな言葉を発する銅像に、言葉を! 彼女は他のやつらと一緒の方がいいんだろう 音楽のシャボン玉を作ってる連中と 月の石鹸を使って そこのブロンズの洗い場の隅っこ あそこに見えるきらめく枝の間の場所で みんな彼女に投げ込むのだ 真昼間の間は 小銭のえさを だけど皆通り抜けて彼女の得にはなることなく 下の小箱の中で音を立てる 彼女の足元の数字の付いた箱の中! そして夜には虫たちが泊り込むのだ 彼女の口の中に |
tonneauは「樽」という意味ですが、「grenouille tonneau」として画像を検索して頂くと木箱の上に大きな口を開けたカエルの人形が乗っているおもちゃが引っかかります。カエルの口にコインを投げ込むと、その体を通って下の得点の付いた皿に落ちる仕組み。ちょっと離れたところから投げ込んで得点を競うゲームなのでしょう。「おおげさな言葉」というのはコインを投げ込むときに、ブロンズ製の彼女とコインがぶつかって発する音のことでしょうか。音楽のシャボン...のくだりは良く意味が分かりませんでしたが、手回しオルガンか何かを鳴らしていると一緒にシャボン玉が噴出してきているような光景を想像しました。月の石鹸とありますからもう夜です。カエルは小屋の中で表情も変えず声も出さずただじっとしているだけ。開いたままの口の中には虫が入り込む。ほのかにおかしみがにじみ出る光景です。
( 2009.08.21 藤井宏行 )