The Voices That Are Gone |
過ぎ去ったあの声 |
When the twilight shades fall o'er me And the evening star appears Memory brings the past before me Joys and sorrows,smiles and tears. Then again bright eyes are gleaming With the love once them shone Then like music heard when dreaming Come the voices that are gone (chorus) Once again bright eyes are gleaming with the light that in them shone Then like music heard when dreaming Come the voices that are gone. Sweet as wood dove's note when calling To her mate as night draws on, Soft as snow flake lightly falling Come the voices that are gone. Voices heard in days of childhood Softly at the hour of prayer, Or loud ringing through the wildwood When the young heart knew no care. (chorus) Once again bright eyes are gleaming with the light that in them shone Then like music heard when dreaming Come the voices that are gone. So when life's bright sun is setting And its day is well nigh done, May there be no vain regretting Over memories I would shun; But when death is o'er,to meet me May some much-lov'd forms come on, And the first sounds that shall greet me Be the voices that were gone! (chorus) Once again bright eyes are gleaming with the light that in them shone Then like music heard when dreaming Come the voices that are gone. |
たそがれの陰が私の上に降りてきて 夕べの星が現れ出でる時 記憶は私の前に昔のことを呼び起こす 喜びと悲しみ、ほほえみと涙を そしてまた再び明るい瞳がきらめくのだ かつてその瞳を輝かせていた愛と共に そして夢見る時に聞こえてきた音楽のように 過ぎ去ったあの声が聞こえてくる (合唱) 再び明るい瞳がきらめくのだ その瞳を輝かせた光によって そして夢見る時に聞こえてくる音楽のように 過ぎ去ったあの声が聞こえてくる 野鳩の歌声のように甘く 夜が降りるとき恋人に呼びかける歌声のように 軽やかに降ってくる雪のようにやさしく 過ぎ去った声が聞こえてくる 子供の頃に聞こえていた声 祈りのときの穏やかな声か あるいは森を抜けてくる激しく響き 若い心が悩みを知らないときの響きだ (合唱) 再び明るい瞳がきらめくのだ その瞳を輝かせた光によって そして夢見る時に聞こえてくる音楽のように 過ぎ去ったあの声が聞こえてくる そんな風に人生の明るい太陽が沈んでゆくときには そしてこの昼間がほとんど終わろうとしているときには 空しく後悔をすることのないように 私が遠ざけて置きたい思い出を巡って だが死が訪れて、私に会うときには かつてとても愛した者たちの姿も来て欲しい そして最初に私を迎える響きは 過ぎ去ったあの声であれ! (合唱) 再び明るい瞳がきらめくのだ その瞳を輝かせた光によって そして夢見る時に聞こえてくる音楽のように 過ぎ去ったあの声が聞こえてくる |
この作品はフォスターゆかりの地ピッツバーグの大学のWEBサイトにあるフォスター作品表では1865年のところにカテゴライズされています。フォスターは1864年に亡くなっていますからもちろんこれは1865年の作曲ということはあり得ず、彼の死の時点で未発表だったものが1865年に楽譜が出版されたという遺作の扱いなのでしょうけれども、この詞と音楽は世間では彼の遺作ということにされている「Beautiful Dreamer」(当時の出版社が楽譜の売上を図るために最後の作だとでっち上げたようで、実際は1862年の作のようです。上述の作品表でもそうなっておりました)以上に、彼の最後の作品としての風格と味わいを感じます。たまたま発見が遅かったために、既に「Beautiful Dreamer」が彼の最後の作品と言うことで人々に完全に認知されてしまい、この曲は現在ではほとんど知られないままに留め置かれています。
すべてをふっ切ったかのような穏やかなワルツの調べはそんなエピソードを抜きにしても心に残るもの。もう少し発見が早くて、彼の遺作としての地位を得ていればもっともっとポピュラーになれたのではという思いを禁じえません。そういうわけでなかなか聴けない作品ですが機会がありましたらぜひお聴きください。
( 2009.08.15 藤井宏行 )