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Na nivy zheltye niskhodit tishina   Op.57-2  
  6 Romansov
黄金色の野原は静まり返る  
     6つのロマンス

詩: トルストイ,アレクセイ (Count Aleksei Konstantinovich Tolstoy,1817-1875) ロシア
      На нивы жёлтые нисходит тишина (1862)

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Na nivy zheltye niskhodit tishina,
v ostyvshem vozdukhe ot merknushchikh selenij,
drozha,nesetsja zvon... Dusha moja polna
razlukoju s toboj i gor’kikh sozhalenij.

I kazhdyj moj uprek ja vspominaju vnov’,
i kazhdoe tverzhu privetlivoe slovo,
chto mog by ja skazat’ tebe,moja ljubov’,
no chto na dne dushi ja skhoronil surovo.

黄金色の野原は静まり返る
たそがれ迫る村の方からの涼しい風の中
震え、鳴り響く鐘の音...私の魂は満たされる
あなたが去ってしまった今、苦い悔恨に

そしてあの私のひどい言葉をみな私は思い出す
それから優しい言葉の一言一言
私が本当はあなたに言っていたかもしれない言葉を、恋人よ
でもそれはこの心の奥深く しっかりと埋めて置くことにしよう


作品57は、第1曲目が華麗に美しいメロディの歌であるのを除くとどれも渋くて目立たない歌が続きます。中でもこの第2曲は詞も音楽も晦渋で、私は長いこと良く分からなかったのですが、歌詞がなんとか読み解けてみるとなかなかに味わい深い作品であることが感じ取れるようになりました。ひどい言葉を投げつけて傷つけてしまった恋人のことをひとり思いながら人気のない畑をとぼとぼと歩く、その心のうごめきを表すにはなるほど流麗なメロディがついてしまってはマズイですね。詩を読み込んでようやく分かるタイプの歌ですのでなかなか日本人には受け入れ難い曲ということになってしまいます。

( 2009.08.01 藤井宏行 )


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