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Kak nad gorjacheju zoloj   Op.25-2  
  6 Romansov
熱い炭の上に  
     6つのロマンス

詩: チュッチェフ (Fyodor Ivanovich Tyutchev,1803-1873) ロシア
      Как над горячею золой

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Kak nad gorjacheju zoloj
Dymitsja svitok i sgoraet,
I ogn’ sokrytyj i glukhoj
Slova i stroki pozhiraet:

Tak grustno tlitsja zhizn’ moja
I s kazhdym dnem ukhodit dymom;
Tak postepenno gasnu ja
V odnoobraz’i nesterpimom...

O,nebo,esli by khot’ raz
Sej plamen’ razvilsja po vole,
I,ne tomjas’,ne muchas’ dole,
Ja prosijal by i pogas!

熱い炭の上に乗っている
巻物がくすぶりながら焦げていき
隠れた見えない炎が
言葉を 文章を呑み込んでいくように

我が人生も悲しくくすぶって
日毎に煙として消えてゆく
こうして次第に私は燃え尽きてゆくのだ
耐え難い単調さの中で

おお、天よ、もしたった一度だけでも
この炎が思いのままに燃え盛り
そして、これ以上の悲しみや苦しみがなかったなら
私は燃え上がり そして燃え切ることができるのだが!


ロシアの詩人として、プーシキンとほぼ同世代のチュチェフは現在でこそ非常に評価が高いものがあるようですが、存命中はほとんど詩人としては無名であったようです。それもあって彼の詩につけた歌曲というのは、かなりあとの世代であるラフマニノフなどにはあっても、詩人と同世代のグリンカをはじめそれ以前の作曲家にはほとんど見向きもされていないような状態でした。ところがこのチャイコフスキーだけはこの作品25にチュチェフの詩による歌曲を2曲書いており、ある種先見の明を感じさせてくれます。もう1曲の「ミニヨンの歌」が清楚で美しいメロディの溢れる曲になっているのに対し、この曲は暗い情念がふつふつとたぎる曲。ピアノの渦巻くような伴奏は燃える炎を表しているのでしょうか。力強くしかしやるせなく満たされない人生の苦悩を歌います。

( 2009.08.28 藤井宏行 )


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