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Gentle Lena Clare    
 
愛しのリーナ・クレア  
    

詩: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ
      

曲: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ   歌詞言語: 英語


I'm thinking of sweet Lena Clare,
With deep blue eyes and waving hair,
Her voice is soft,her face is fair
My gentle Lena Clare.

(chorus)
Gentle Lena Clare
My dear lov'd Lena Clare
Her heart is light,her eyes are bright,
My gentle Lena Clare.


I love her careless winning ways,
I love her wild and bird-like lays,
I love the grass whereon she strays
My gentle Lena Clare.

(chorus)
Gentle Lena Clare
My dear lov'd Lena Clare
Her heart is light,her eyes are bright,
My gentle Lena Clare.


Her home is in the shady glen,
When summer comes I'll seek again,
On mountain height and lowland plain;
My gentle Lena Clare.

(chorus)
Gentle Lena Clare
My dear lov'd Lena Clare
Her heart is light,her eyes are bright,
My gentle Lena Clare.

ぼくは素敵なリーナ・クレアのことを考えてる
深い青色の瞳と波打つ髪をしたあの子のことを
彼女の声は穏やかで、彼女の顔は可愛い
ぼくの愛しのリーナ・クレア

(合唱)
愛しのリーナ・クレア
ぼくのとても愛してるリーナ・クレア
彼女のハートは軽やかで、彼女の瞳は明るい
ぼくの愛しのリーナ・クレア


ぼくは彼女の気ままで勝気なところが好きさ
ぼくは彼女の野性の鳥のようなまなざしが好きさ
ぼくは彼女のそぞろあるく足元の草までが好きなのさ
ぼくの愛しのリーナ・クレアの

(合唱)
愛しのリーナ・クレア
ぼくのとても愛してるリーナ・クレア
彼女のハートは軽やかで、彼女の瞳は明るい
ぼくの愛しのリーナ・クレア


彼女のふるさとは日の陰る谷間にある
夏がやってきたらぼくはまた探しに行こう
高い山の上や低地の平原へ
ぼくの愛しのリーナ・クレアを

(合唱)
愛しのリーナ・クレア
ぼくのとても愛してるリーナ・クレア
彼女のハートは軽やかで、彼女の瞳は明るい
ぼくの愛しのリーナ・クレア


フォスターは流行歌の作曲家という立場からでしょうか、非常に多くの女性名をタイトルとしたラブ・ソングを書いています。
最近のことは良く知りませんが、日本でも「SACHIKO」(ばんばひろふみ)や「安奈」(甲斐よしひろ)などあることにはある女性名がタイトルの歌ですけれども、こちらは意外に少ない印象がしました。ましてや苗字まで入れたフルネームをタイトルにしている曲というのは日本ではコミックソングでもない限りまずあり得ないような印象です。他方アメリカではこの曲のようにフルネームを曲のタイトルにしているものは非常に多くあり、そのカルチャーの差は非常に興味深いところ。フォスターにもたくさんそんな曲がありますが、以前取り上げた「ネリー・ブライ」のようにプランテーションで働く黒人奴隷たちのラブソングからイメージ的には白人の令嬢に恋を捧げているようなこの曲まで本当に多彩な作品群です。
この「リーナ・クレア」は1862年と比較的晩年の作品。恋の歌ですので歌詞は熱烈ではありますがメロディはとても穏やかで、なんだか恋する想いをしみじみと味わっているかのよう。なかなかに愛らしい歌としてもっと聴かれても良いように思いますが、比較的入手しやすい音源としてはロバート・ショウ合唱団の入れたものくらい、これもなかなかしっとりして悪くはないのですが、もっとオリジナルに近いものを聴いてみたいところです。

タイトルにあるGentle、もっと知られているフォスターの曲「Gentle Annie」では「やさしかった」と言う語を当ててみましたけれども、何だかリーナの方は歌詞を見ていてもあまり優しい女性という感じもしません。勝気なお嬢様といった感じが一番しっくりきますので、ここではちょっとニュアンスがずれますが「愛しの」を当ててみました。
また2番にある「足元の草まで好き」というフレーズはスコットランド民謡の中の良く知られたフレーズのようで、以前ルチアーノ・べリオの「フォークソングズ」を取り上げたときにその第一曲目でちょっと触れております。

( 2009.07.05 藤井宏行 )


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