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There's a Good Time Coming    
 
ここによき時代が来るのだ  
    

詩: マッケイ,チャールズ (Charles Mackay,1814-1889) スコットランド
      

曲: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ   歌詞言語: 英語


There's a good time coming,boys,
A good time coming,
A good time coming;
We may not live to see the day,
But earth shall glisten in the ray.
Of the good time coming.
Cannon balls may aid the truth,
But thought's a weapon stronger;
Well win our battle by its aid;
Wait a little longer.

There's a good time coming,boys,
A good time coming,
A good time coming;
The pen shall supersede the sword,
And right,not might shall be the lord,
In the good time coming;
Worth,not birth,shall rule mankind,
And be acknowledg'd stronger;
The proper impulse has been giv'n;
Wait a little longer.

There's a good time coming boys,
A good time coming,
A good time coming;
War in all men's eyes shall be
A monster of iniquity.
In the good time coming.
Nations shall not quarrel then,
To prove which is the stronger;
Nor slaughter men for glory's sake;
Wait a little longer.

There's a good time coming,boy's,
A good time coming,
A good time coming;
Shameful rivalries of creed
Shall not make the martyr bleed,
In the good time coming.
Religion shall be shorn of pride,
And flourish all the stronger;
And Charity shall trim her lamp;
Wait a little longer.

There's a good time coming,boys,
A good time coming.
A good time coming;:
And a poor man's family,
Shall not be his misery,
In the good time coming;
Ev'ry child shall be a help,
To make his right arm stronger;
The happier he,the more he has;
Wait a little longer.

There's a good time coming boys,
A good time coming,
A good time coming;
Little children shall not toil
Under,or above the soil.
In the good time coming.
But shall play in healthful fields,
Till limbs and minds grow stronger;
And ev'ry one shall read and write;
Wait a little longer.

There's a good time coming boys,
A good time coming,
A good time coming;
The people shall be temperate,
And shall love instead of hate,
In the good time coming,
They shall use,and not abuse,
And make all virtue stronger;
The reformation has begun;
Wait a little longer.

There's a good time coming boys,
A good time coming,
A good time coming;
Let us aid it all we can,
Ev'ry woman,ev'ry man,
The good time coming.
Smallest helps,if rightly giv'n,
Make the impulse stronger;
'Twill be strong enough one day;
Wait a little longer.
ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
われらはその日を見るまで生きていないかも知れぬ
だが大地は光の中できらめくであろう
きたるよき時代の光の中で
大砲の弾は真実の助けとなるかも知れない
だが思想こそがずっと強力な武器なのだ
その助けによりわれらは戦いに勝利するであろう
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
ペンは剣を無用のものとし
そして力でなく真実が支配者となる
よき時代が来たときには
身分でなく能力が人類を支配し
より強く認められる
正しき衝動が与えられるであろう
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
戦争は万人の目に映るであろう
非道の怪物として
よき時代が来たときには
諸国は争うことはなくなる
いずれがより強いかを示そうとしてなどと
また人々を国の栄誉のために虐殺することもなくなる
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
恥ずべき信仰の対立が
殉教者の血を流すこともなくなるであろう
よき時代が来たときには
宗教もプライドを奪い取られて
更に一層栄え
そして慈善がその輝きに彩りを添えるだろう
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
そして貧しき者の家族も
その窮状から逃れられるであろう
よき時代が来たときには
すべての子供は援助を受ける
その長所をより強くするために
幸せになればなるほど 彼らの才能は磨かれる
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
小さな子供たちが使役されることはなくなるであろう
大地の上でも あるいは下でも
よき時代が来たときには
そうではなく健やかな野原で遊ぶのだ
四肢や精神がより強くなるまでは
そして万人が読み書きできるようになるだろう
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
人々は温厚となり
憎むかわりに愛するようになるのだ
よき時代が来たときには
彼らは活用する だが乱用はしない
そしてすべての美徳を強くする
改革が始まる
あともう少しだけ待つのだ

ここによき時代が来るのだ 諸君
よき時代が来る
よき時代が来る
我らのできうる限りそれを助けよう
すべての女性よ すべての男性よ
よき時代が来る
ほんのわずかな助力だけでも それが適切になされるのならば
その動きをより強固にするであろう
ある日 それは十分に強固なものとなる
あともう少しだけ待つのだ


フォスター最初期の作品。1846年の作曲です。飛びはねるような冒頭部と、快速に歌われる中間部、そして最後を締める“Wait a little longer”の決然たる響き。まだまだ素朴な音楽ではありますが、若い彼の意欲が感じられてなかなか素敵な歌になっております。
歌詞にある「よき時代」はこの詩が書かれてからもう150年以上も経っているわけですがまだ到来することもなく、人間に取って永遠に見果てぬ夢なのでしょうか。
もちろんこれはフォスターの詩ではなく、スコットランドの詩人にして編集者だったチャールズ・マッケイ(Charles Mackay 1814-1889)が、当時自ら編集していた新聞the Dailiy Newsに載せたものなのだそうです。スコットランドの新聞の中身がアメリカにどういういきさつで伝わったのか?あるいはそれ位このマッケイという人が当時有名な人であったのかはよく調べ切れませんでしたけれども、Net上のいくつかの記述で、この詩は詩人の友人のHenry Russellという人の付けた曲で楽譜を40万部も売り上げたという大ヒットを記録していたとのことでしたので、その評判が若きフォスターのところにも届いたということなのでしょう。大ヒットの向こうを張って自分なりのメロディをつけてみる...やはり意欲作と言っても良いのでしょうね。
なおこの曲はWarnerレーベルから出ている「フォスターの夜会」というCDで耳にすることができます。

( 2009.06.13 藤井宏行 )


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