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Junghexenlied   Op.39-2 TrV 189  
  Fünf Lieder
若い魔女の歌  
     5つの歌曲

詩: ビーアバウム (Otto Julius Bierbaum,1865-1910) ドイツ
    Irrgarten der Liebe. Verliebte,launenhafte und moralische Lieder,Gedichte und Sprüche aus den Jahren 1885 bis 1900 - Lieder  Der jungen Hexe Lied

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Als nachts ich überm Gebirge ritt,
Rack schack,schacke,mein Pferdchen,
Da ritt ein seltsam Klingeln mit,
Klingling,klingling,klingelalei.

Es war ein schmeichlerisch bittend Getön,
Es war wie Kinderstimmen schön.

Mir war's,ich streichelt' ein lindes Haar,
Mir war so weh und wunderbar.

Da schwand das Klingeln mit einemmal,
Ich sah hinunter in's tiefe Thal.

Da sah ich Licht in meinem Haus,
Rack schack,schacke,mein Pferdchen,
Mein Bübchen sah nach der Mutter aus,
Klingling,klingling,klingelalei.

とある夜 あたしが山々を駆けたときに
ラック シャック シャッケ あたしのお馬さん
そこへ不思議な響きも一緒に駆けてきたの
クリングリン クリングリン クリングラレイ

それはへつらうように求めてくる響き
それはまるで子供の声みたいにきれいだった

あたしにはそれが柔らかい髪をなでるように思えた
あたしはとても悲しくて そしてとても不思議だった

そこへ急に 響きが消えてしまった
あたしは深い谷を見下ろした

そこにはあたしの家の灯りが見えた
ラック シャック シャッケ あたしのお馬さん
あたしの赤ちゃんが母の方を見上げてる
クリングリン クリングリン クリングラレイ


Op.39の5曲は、この曲を除く他の4つがすべてデーメルの詩につけた歌曲なのですが、この曲だけが彼の歌曲でよく名を見かけるもうひとりの詩人ビーアバウムによるものになっています。そしてこの歌曲集は異色なものが多い個性的な作品ばかりなのですけれども、その中でも一際ブッ飛んでいる作品のように聴こえます。馬を駆る掛け声「ラック シャック」と、それに答える鈴(?)と思しき不思議な反響「クリングリン」のひそやかな掛け合いが耳に残って一度聴いただけでも強烈な印象が残りました。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


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