Ständchen Op.106-1 Fünf Lieder |
セレナーデ 5つの歌曲 |
Der Mond steht über dem Berge, So recht für verliebte Leut'; Im Garten rieselt ein Brunnen, Sonst Stille weit und breit. Neben der Mauer im Schatten, Da stehn der Studenten drei, Mit Flöt' und Geig' und Zither, Und singen und spielen dabei. Die Klänge schleichen der Schönsten Sacht in den Traum hinein, sie schaut den blonden Geliebten und lispelt: »Vergiß nicht mein!« |
月は山の上に高く昇っていて 恋する者たちにはおあつらえ向きなのさ 庭では噴水がしぶきを散らし そのほかは静けさだけがあたりを包む 壁の近くの影の中 そこに三人の学生が立っている フルートとヴァイオリン、それにツィターを持って そこで歌い 演奏している その響きは美しい娘のところに忍び込む そっと夢の中へと 彼女はブロンドの恋人を夢に見て そしてささやくのだ:「あたしを忘れないでね」と |
ブラームスはけっこうな数の「セレナーデ」というタイトルの歌曲を書いていますが、中ではこの曲が一番良く知られ、演奏されるでしょうか。もっともこの曲は恋する男が窓の下で歌う普通のセレナーデではなく、その情景を外から眺めているというもの。微笑ましくも爽やかなメロディが素敵な曲です。1888年に書かれたOp.106の5つの歌曲の第1曲です。
( 2009.05.05 藤井宏行 )