Himmelsboten Op.32-5 TrV 174 Fünf Lieder |
天の使い 5つの歌曲 |
Der Mondschein,der ist schon verblichen, die finstre Nacht ist hingeschlichen; steh auf,du edle Morgenröt', zu dir all mein Vertrauen steht. Phöbus,ihr Vorbot' wohlgeziert, hat schon den Wagen angeschirrt, die Sonnenross' sind vorgespannt, Zügel ruht in seiner Hand. Ihr Vorbot',der Don Lucifer, schwebt allbereits am Himmel her, er hat die Wolken aufgeschlossen, die Erd' mit seinem Tau begossen. O fahrt vor ihr Schlafkämmerlein, weckt leis die süße Liebste mein, verkündet ihr,was ich euch sag': Mein Dienst,mein Gruß,ein' guten Tag. Doch müßt ihr sie fein züchtig wecken, dabei meine heimliche Lieb' entdecken, sollt sagen,wie ihr Diener wacht so kummervoll die ganze Nacht. Schaut für mich an die gelben Haar', ihr Hälslein blank,ihr Äuglein klar; küßt ihr für mich den roten Mund und,wenn sie's leid't,die Brüstlein rund. |
月の光は、もうとっくに色あせて 暗い夜はこっそりと逃げ出す 立ち上がれ、気高い朝焼けよ きみにぼくのすべての信頼を預けるよ フェブスよ、見事に飾られたお前の使者は もうお前の馬車を準備している 太陽の馬は馬車に繋がれ フェブスはその手綱を握っている その先駆け、かのルシフェル殿は もうとっくに天空を飛び回り 雲を切り開いて 大地にその露を振りまいている おお あの娘の小さな寝室に行ったなら やさしくぼくの恋する人を目覚めさせておくれよ 彼女に届けてくれ、ぼくがお前に言うことを ぼくの奉仕を、ぼくの挨拶を、こんにちはって だけどお前は彼女をできるだけやさしく起こさなくちゃだめだぞ それからぼくの恋心をそっと明かしてくれ 言わなきゃだめだ、どんなにこの恋の召使が思っているのかを 悲しみにあふれてこの夜じゅうずっと ぼくの代わりに見てきてくれ 彼女のgelbenな髪を 彼女の白いうなじを、澄んだ小さな瞳を ぼくの代わりにキスしてきてくれ 彼女の赤いくちびるに そして彼女が許してくれるなら、そのふくらんだ胸にも |
これもシュトラウスにはいくつかある民謡詩「子供の不思議な角笛」の中から取り上げた歌曲です。同時代の作曲家グスタフ・マーラーほどこの民謡詩集を偏愛はしていなかったとはいえ、それらはけっこう面白い詩を取り上げて面白い曲にしてくれております。この詩も非常にほほ笑ましい少年の恋心をユーモラスに歌っています。とりわけ最後がおずおずと、まるで赤面しているかのように歌われるところなどほんとうに見事な曲だと思います。
フェブスというのは太陽をつかさどる神様、そしてルシフェル殿とありますのは明けの明星(金星)のことです。
( 2008.10.01 藤井宏行 )