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O,esli b znali vy   Op.60-3  
  12 Romansov
おお、もしあなたが知っているのだったら  
     12のロマンス

詩: プレシチェーエフ (Aleksey Nikolayevich Pleshcheyev,1825-1893) ロシア
      Prière 原詩: René-François Sully-Prudhomme シュリュ=プリュドム,Les vaines tendresses

曲: チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky,1840-1893) ロシア   歌詞言語: ロシア語


O,esli b znali vy,kak mnogo slez nezrimykh
tot l’et,kto odinok,bez druga i sem’i,-
vy,mozhet byt’,poroj,proshli by mimo
zhilishcha,gde vlachatsja dni moi!

O,esli b znali vy,chto serdtse,polnom tajnoj
pechali,chistyj vzor sposoben zarodit’,
v moe okno poroj,kak by sluchajno,
vy,prokhodja,vzgljanuli,mozhet byt’.

O,esli b znali vy,kak serdtsu schast’ja mnogo
darit drugogo serdtsa blizost’,- otdokhnut’
u moego vy seli by poroga,
kak dobraja sestra,kogda-nibud’.

O,esli b znali vy,chto ja ljublju vas,znali,
kak gluboko ljublju,kakim svjatym ognem
vy s davnikh por mne dushu sogrevali,
vy,mozhet byt’,mozhet byt’,ko mne voshli by v dom!

おお、もしあなたが知っているのだったら どれだけの人知れぬ涙が
この孤独な者の目から流れてきたのかを、友達も家族もなく
でもあなたは、おそらくは通り過ぎてしまうのだろう
私の日々が詰まったこの家の前を!

おお、もしあなたが知っているのだったら この心の中は満ちているのだと
悲しみに、それはあなたの視線によって掻きたてられるのだ
私の窓辺を、あるとき、偶然に
あなたが通り過ぎ、ちらっと一瞥をくれたのならば

おお、もしあなたが知っているのだったら どれほど幸せな心が
身近な人の心をなごませるのかということを
私があなたと一緒に戸口のところで座れさえすれば
仲の良い妹みたいに、いつの日か

おお、もしあなたが知っているのだったら 私があなたを愛してることを、知っているのだったら
どんなに深く愛してるのかを、それは聖なる炎で
あなたがわたしの心をずっと暖めてくれていること
あなたはきっと、私のところに来てくれるのでしょうに!


悲しい失恋の歌のように詩だけ見ると思えますが、これに付けられた音楽は希望を表わしているかのような明るいもの。満たされない今の状況を、しかしながら決して諦めの心で嘆いているだけではないというところが、この決然とした力強い音楽の付けられた源なのでしょう。非常に印象深い音楽なのですが残念なことにこの曲も取り上げられることは多くありません。

( 2009.03.06 藤井宏行 )


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