Das Traumbild K.530 |
夢で見た姿 |
Wo bist du,Bild,das vor mir stand, Als ich im Garten träumte, In's Haar den Rosmarin mir wand, Der um mein Lager keimte? Wo bist du,Bild,das vor mir stand, Mir in die Seele blickte, Und eine warme Mädchenhand Mir an die Wangen drückte? Nun such' ich dich,mit Harm erfüllt, Bald bei des Dorfes Linden, Bald in der Stadt,geliebtes Bild, Und kann dich nirgends finden. Nach jedem Fenster blick' ich hin, Wo nur ein Schleier wehet, Und habe meine Lieblingin Noch nirgends ausgespähet. Komm selber,süßes Bild der Nacht, Komm mit den Engelsmienen, Und in der leichten Schäfertracht, Worin du mir erschienen! Bring' mit die schwanenweiße Hand, Die mir das Herzgestohlen, Das purpurrote Busenband, Das Sträußchen von Violen. Dein großes blaues Augenpaar, Woraus ein Engel blickte; Die Stirne,die so freundlich war, Und guten Abend nickte; Den Mund,der Liebe Paradies, Die kleinen Wangengrübchen, Wo sich der Himmel offen wies: Bring' alles mit,mein Liebchen! |
お前はどこだ、私の前に現れた姿よ 私が庭で夢を見ていた時に 私の髪の毛にローズマリーを巻きつけてくれたあの姿 私の寝床に生えていたローズマリーを お前はどこだ、私の前に現れた姿よ 私の魂の中まで覗き込み そして暖かい少女の手を 私の頬に押し付けていったあの姿は 今私はお前を探している、悲しみに満ちて 村のリンデの林の中や 街の中に、いとしいあの姿を だけどどこにも見つからないのだ 私が覗き込んだ家々の窓には ただカーテンが揺れているだけ ぼくのいとしいあの娘は どこにも見えないのだ こちらに来ておくれ、夜の甘美な姿よ 来ておくれ 天使のような表情で 軽やかな羊飼いの装いで 私の前に現われた時と同じように! 白鳥のように白い手で奪い取っておくれ ぼくの心を 深紅の胸のリボンと すみれの花束を持って お前の大きな青い二つの瞳 そこから天使がのぞいている瞳 お前のとても親しげな額 おやすみといって頷く額 愛のパラダイスであるその唇 そして頬の小さなえくぼ そこから天国が開かれていくえくぼ みんな持って来ておくれ、私のいとしい人よ! |
シューベルトやブラームスの歌曲でしばしば名前を見る詩人ルードウィヒ・ヘルティの詩にモーツアルトが唯一付けた歌曲です。ヘルティという人はもっと新しい人のように思っていたのですが、生没年を見るとモーツアルトとほとんど同時代の人ですね。
(Ludwig Heinrich Christoph Hölty (1748-1776) )
詩は非常に悲しげに、目の前から消えてしまった恋人の姿を探し求めているのですが、モーツアルトの付けたメロディは淡々と思いを語るようなものなので、私も今回翻訳のためにじっくりと詞を見るまで、この歌がこんなに悲しい詩だったとは気が付きませんでした。
( 2008.08.26 藤井宏行 )