TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Oiseaux,si tous les ans   K.307  
 
鳥たちよ、毎年  
    

詩: フェラン (Antoine Ferrand,1678-1719) フランス
      

曲: モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart,1756-1791) オーストリア   歌詞言語: フランス語


Oiseaux,si tous les ans
Vous changez de climats,
Dès que le triste hiver
Dépouille nos bocages;
Ce n'est pas seulement
Pour changer de feuillages,
Ni pour éviter nos frimats;
Mais votre destinée
Ne vous permet d'aimer,
Qu'à la saison des fleurs.
Et quand elle est passée,
Vous la cherchez ailleurs,
Afin d'aimer toute l'année.

鳥たちよ、毎年
お前たちはこの土地を去っていく
寂しい冬が
我らの森を裸にするときには
けれどもそれは
住み家を変えて
冷たい霜を避けるためだけではないのだ
お前たちの宿命は
恋をすることを許さないのだ
花の季節以外には
だからその季節が去れば
お前たちはどこか他へ探しに行く
一年中恋をするために


若き日のモーツアルトがマンハイム〜パリへと旅をした1777から78年にかけて、かれはマンハイムでその地のフルート奏者ヴェンドリングの娘アウグステのために2曲のフランス語の歌曲を書きました。マンハイムといえばドイツの町ですがこれらの2曲はなぜかフランス語。彼女が渡した詩に曲をつけたのだそうですけれども。こちらの曲は軽い感じのアリエッタです。短い前奏のあと飛び跳ねるような歌はときに流麗となり、またちょっと翳りを帯びたりと表情をくるくる変えながら非常に充実した音楽。フランス語でもあり、また初期の作品であるにも関わらずドイツリートの歌手によく取り上げられるのはやはりそれだけ魅力があるということでしょう。

( 2008.08.26 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ