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Le plus doux chemin   Op.87  
  Deux mélodies
一番すてきな道  
     2つのメロディ

詩: シルヴェストル,アルマン (Paul-Armand Silvestre,1837-1901) フランス
    La chanson des heures - 6. Vers pour être chantés - 11. Madrigaux dans le goût ancien 10 A mes pas le plus doux chemin

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


A mes pas le plus doux chemin
Mène à la porte de ma belle,
Et,bien qu'elle me soit rebelle,
J'y veux encor passer demain.

Il est tout fleuri de jasmin
Au temps de la saison nouvelle,
Et,bien qu'elle me soit cruelle
J'y passe,des fleurs à la main.

Pour toucher son coeur inhumain
Je chante ma peine cruelle,
Et,bien qu'elle me soit rebelle,
C'est pour moi le plus doux chemin.
ぼくの足にとって一番素敵な小道は
ぼくのかわいこちゃんちの戸口へと続く道
あいにくあのこはぼくの思い通りにはならないけれど
明日もまたぼくはここを通りたいなあ

今はジャスミンの花盛りだ
この新しい季節には
あいにくあのこはぼくには冷たいけれど
ぼくはあそこに行き 花を手に摘もう

あのこの冷たい心に触れるため
ぼくはこの残酷な苦しみを歌おう
あいにくあのこはぼくの思い通りにはならないけれど
ここはぼくにとって一番素敵な道なんだ


フォーレ中期には山のように歌曲の詞として取り上げられていたアルマン・シルベストルに久々に取り組んだのがこの作品87です。ですが詩を見た感じはその2曲共に詩人としても力の抜けた、素朴な味わいのものをフォーレは選んできているような感じ、従って訳の方もそんな素朴さを強調したちょっとくだけた感じにしてみました。にも関わらず音楽はフォーレ後期の晦渋な色合いが強いので、詞をじっくりと見ながら聴くと違和感が強いです。もちろんこの頃書かれた他の歌曲とくらべると親しみやすいメロディに意識的にされているところはあるのでしょうが、やはりにじみ出てくる気品のようなものはいかんともし難いところがあります。不思議なたたずまいを醸し出しています。
とても興味深い作品ではありますが少々中途半端なところもあるでしょうか。いや私の日本語訳に問題があるだけなのかも知れませんけれども。

( 2008.10.01 藤井宏行 )


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