揺籃のうた |
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揺籃のうたを カナリヤが歌う よ ねんねこ ねんねこ ねんねこ よ 揺籃のうえに 枇杷の実が揺れる よ ねんねこ ねんねこ ねんねこ よ 揺籃のつなを 木ねずみが揺する よ ねんねこ ねんねこ ねんねこ よ 揺籃のゆめに 黄色い月がかかる よ ねんねこ ねんねこ ねんねこ よ |
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作曲者の草川信(くさかわ・しん)は長野出身で、「夕焼け小焼」や「どこかで春が」などの曲で知られています。彼の作ったどこか懐かしい、優しいメロディが私は大好きなのですが、やはり彼の作品で一番素敵なのはこの子守歌ではないでしょうか。
大正11年の作品であるにも関わらず、少しも古さを感じさせることなく、お母さんからお母さんへと歌い継がれて今も生きています。今回、この曲の詩も白秋であることを知って、彼の影響力の強さに驚かされてしまいました。
この曲の素晴らしさを再認識したのは、やはり藍川由美さんの「日本の童謡」のCDです。本居長世のところで述べましたように、大正モダニズムの時代に生まれた唱歌・童謡群は現代にも生きる豊穣な日本文化の宝ものであることをこのCDは教えてくれました。
おかあさんといっしょの録音など、いろいろ現代風にアレンジしたものを聴くことも多いですが、やはり一度はオリジナルなスタイルを聴いておく価値は十分にあると思います。ちょうどモーツアルトやバッハが、オリジナル楽器の演奏で新鮮に蘇ったように...
( 2000.01.09 藤井宏行 )