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ちんちん千鳥    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      ちんちん千鳥

曲: 近衛秀麿 (Konoe Hidemaro,1898-1973) 日本   歌詞言語: 日本語


ちんちん千鳥の 啼く夜さは
啼く夜さは
硝子戸しめても まだ寒い
まだ寒い

ちんちん千鳥の 啼く声は
啼く声は
灯りを消しても まだ消えぬ
まだ消えぬ

ちんちん千鳥は 親ないか
親ないか
夜風に吹かれて 川の上
川の上

ちんちん千鳥よ お寝らぬか
お寝らぬか
夜明の明星が 早や白む
早や白む



鮫島有美子さんも、日本の歌をたくさん録音してくれていますが、その中でもこの曲は白眉といえる美しさを醸し出してくれます。寒い、寂しい夜にひとり口ずさむのにこれほどぴったりくる歌が他にあるでしょうか?
「まだ寒い」のところの高音が美しく響くかどうかが、この歌に命が吹き込めるかどうかの分かれ目なのでしょう。もともとこの歌はテノール歌手の藤原義江さん(藤原歌劇団の創始者ですね)のために書かれたのだそうですから。
ここのところの透き通るような美しさが彼女の録音の魅力です。
この詩には、他にも山田耕筰や成田為三も曲を付けているのだそうで、機会があれば聴いてみたいものです。

( 2000.01.09 藤井宏行 )


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